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時事問題 : 就活に向けて
投稿者 : admin 投稿日時: 2016-03-28 (1016 ヒット)
1 16年後の職業はどんな職業か
 
 アメリカの学者キャシー・デビッドソン氏の「今アメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう」との予測は、ここ数年、教育関係者の講演でしばしば耳にした話題です。
 一種センセーショナルな予測ではありますが、おしなべて教育関係者の講演では、この予測は正しく、それ故、子どもには予測できない未来に対応する力を身につけさせなければならないと締めくくる意見が多かったような気がします。
 その論評の中には、およそ100年前の花形職業のうち、いくつが現在も残っているのか考えれば、この予測は妥当との意見がありましたが、そう言われれば首肯できます。
 時代の花形職業というのは、基本的に時代の先端を行く新しい業種で、時代の先端ゆえ、職業として確立するのかどうかも不明で、ある意味栄枯盛衰が激しいことは確かに間違いありません。また技術革新の結果、プラスチック製造に欠かせない金型も、いまや3Dプリンターが取って代わる時代が来ています。

2 どんな職業が機械化するか
 
 しかし、国勢調査の人口統計などに使われる、産業分野で仕事がなくなる分野があるかといえば、それはあり得ません。
 しかし、廃坑、廃校、廃村などにより当該地域のニーズが完全に枯渇した場合には、当該地域には、その産業は完全になくなりますし、グローバル化がさらに進めば、この地域の単位が更に拡大化することになり、地域によって衰退する産業が顕著化すると思われます。
 しかし、例えば、食料生産は人が生き続けるために必須条件であるため、資源の枯渇に配慮したり、利益率、限界利益を考慮して生産の工夫が必要なのは当然ですが、文明、文化がある以上、どこかで必ずそれに見合う食料生産がされることは必然の命題です(逆に言えば、それに見合う食料供給が途絶えた文明は衰退を回避できない)。
 また、最高のサービスは人のサービスであるとの価値観も、世界共通のもののようなので、サービス業のほとんどは残ることになります。
 機械化するのは、医療分野(外科手術の一部、検査技術の発達による定型診断の代替)、農林水産業、工業、サービス業の一部という感じでしょうか。
 機械化は、必然的に力作業が少なくなることを意味するので、産業全体でみても、女性が進出できる産業分野は、今後も増えていくことは確実と思われます。

3 女性に向いた職業は何か
 さて、現在の日本で女性に向いた仕事はどういう分野になるのでしょうか。機械化も相まって適応職種は広がりつつあります。
 私は男女雇用機会均等法施行後の、誰もが一度は社会人になった世代ですが、この年になっても長く働き続けている女性は、公務員か、弁護士、税理士、医師、薬剤師、看護師等の有資格者や、研究職、自営業の方が多いと思います。新卒で入った会社に今でも勤務している会社員は、割合的には、多くないと思います。

 そこで、新卒の就活をする方には、人気の職業に就くことを目指すだけでなく、自分のライフプランをどう設計するのか、思い描きながら、自分のライフプランに合った業種・業態への就職活動をされることをお勧めします。
 長く勤めたいのであれば、資格が必要な業種、研究職、公務員、自営業を含むいわゆる専門職と呼ばれる業種が、長い目で見れば、確実に有利だと思いますが、転職でスキルを身に着ける方もいます。
 
 さて、法曹は、我々が体験した司法試験がなくなって法科大学院制度が始まった、ひと頃の人気はなく、弁護士の就職難に代表される、人余りの時代はまだまだ続くと思われます。しかし、女性の選択する職業としては、自分の思い描く仕事スタイルを実践できるという意味で、魅力的な職業だと思います。裁判所ではたまに、臨月に近い女性弁護士を見かけ、頑張っているなと思います。苦労もありますが、それなりにやりがいのある仕事だと思います。
 ちょうど去年は弁護士20年目で同業の集まりがあったのですが、法曹に限って言えば、20年経っても仕事を辞めてしまった女性は、数える程度しかいません。各人が、それぞれ苦労をしつつ、それでも創意工夫で仕事を続けてきたと感じました。仕事と子育ての両方をこなすのは大変ですが、時に周囲の協力を仰ぎ、そのサポートに感謝しつつも仕事を続けていけば、男性とは違った観点で仕事ができると思います。
 出産しても仕事を続ける女性が増えた半面、晩婚化に合わせ高齢化する祖父母に子育てのサポートは期待できませんので、保育園の待機児童は今後も増加の一途をたどると思われますが、女性が仕事を続ける上で、保育園の充実は不可欠です。
「一億総活用」というのであれば、第一に対応しなければならない事柄ですので、老人ホームの拡充と同様、保育士の養成、保育園の増設は急ぎ行ってほしい施策です。

2016.3.31補足
 保育園は幼稚園とは異なり、0歳時の入所基準が月齢で決まります。4月の段階で基準に達する子もいれば年度途中で該当月例に達する子もいます。具体的には産休明け児童の受け入れがある場合、0歳クラスで、生後3か月児から1才11か月児(年度終わりの場合)まで混在することになります。
 そのため、4月の段階で保育園に全員入園できないという事態は、年度途中で該当月齢に達する子は確実に全員保育園に入れないことと同義で、状況は結構厳しいです。
 保育園の定員は、4月の段階ではいくらか余裕があり7月か8月位に定員いっぱいになる程度が本来の理想です。
 最近は幼稚園で延長預かりを実施しているので、幼稚園入学を待って復帰するという手もありますが、3年以上の仕事ブランクは、職場に取ってもご本人にとっても正直きついと思います。

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