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時事問題 : 豊洲問題とオリンピック
1 築地市場の豊洲移転はニュースとしてだいぶ下火になってきましたが、明らかになったのは、地下水の出現と、盛り土予算がどこに消えたのかということだけ。
築地の場内市場は、流通ルートの変容にともなう物流量の縮小に伴って移転を機に廃業したのか、あるいはこの時期に早め休業を選択したのかは不明ですが、閉店している店が目立っています。
臨海部において、高層建物の地下にピットホールを設けて、建物荷重の反作用として存在する地下水圧の上向きの力(建物からすれば浮力)を、ピットホールで水抜きさせて逃がすのは、基礎杭工法を前提にすると当然のようですから、地下空間があることが悪いことでもないし、ピットホールの本来の役割を考えると、水が溜まるのは本来の機能がきちんと果たされているわけですから、問題になるはずもない。
立地条件はもともと判明していたこと。
ならば、早く、移動の号令をかけて欲しいというところです。
さて、建築問題として、熊本地震と鳥取地震がありましたが、熊本地震では、築浅の木造建物が倒壊したケースもあったということですが、それが、現在の建築基準法では義務づけがないが、普通やらない施工をした結果の倒壊であれば、そこは法律を変えていくべきかと思います。
ところで、建築基準法というのは、つくづく面白い法律だと思います。窓のない部屋(正確には採光の条件が満たされない部屋)は、我が国では居室と認めないとか、根拠がありそうで根拠がない壁倍率なる定数(ここでいうのは、壁倍率の数値算定に根拠があっても、壁倍率なるものに、どういう科学的位置づけがあるのかという意味です)が建築の基礎になって、風力、地震力、積載荷重に対する耐力の有無を判定する等、誰が考えついたのかは知りませんが、国民生活の、建物の対する理想と、実際に建物を建てる大工が使える内容にする妥協が、いい具合に盛り込まれています。
建築法制は税法並に短期間で法令改正を繰り返す分野ですが、理想論と現実の妥協が、いい感じで詰まっていると思います。
最初に問題にした豊洲問題は、建築基準法制定時の想定を遙かに超える、特に鉛直に長い建物の出現(計算上、単位当たりの荷重が非常に大きくなる)は、また地下水の揚水が当時より激減した現状では、想定外であった地下水圧の問題まで配慮しなければならなくなったというわけです。
20170512補足
地下水についての話として、観測データの豊富な検証経験と見識をもって簡単に書かれている文献として、岩波新書「地下水は語る-見えない資源の危機」という本があります。
地下深い所の水の流れ、特に、揚水過剰で渇水が起こると渇水状態にある地域に向け、新たな地下水の流れができるというのが、大変興味深く、地下水の揚水過剰が継続すると、当該地域だけでなく、もっと広域に渇水が生じ、結果、地方全体が本当に干上がる状態が生じるのだと、素人にも想像できました。
地表の水資源の状況は、その地形に大きく左右されますが、永久凍土でもない限り、地下水脈は、例えばサハラ砂漠直下であっても、きちんと存在するとされており、地下水くみ上げが地下環境に与える影響は、同じ仕組みと考えられます。
2 市場の問題と連動する問題として、東京都の支出するオリンピック施設会場をどこにするのか、問題になっていますが、私は個人的には長沼案に賛成します。
オリンピックは、世界的な祭典ですが、日本で行う祭りの意味は、基本的には死者を慰めるものが祭りの発祥であることも多いのです。
また、この島国で社交的ということはありませんが、自然災害が多いこともあり、年2回の彼岸、盆(迎え火で迎え、送り火で送る)と死者をもてなす機会が、やたら多い国ではあります(あのオリンピック誘致のレセプションの「日本はおもてなしの国」という表現は疑問を感じますが、別の意味で手を合わせてもてなすことが多いことは事実なのでしょう)。
今回、津波災害の犠牲者が多かった東北でオリンピックを行うこと、また水の競技(特に今回は外海でやるものではない。)を行うことに、一つの意義を感じます。
世界的に祭りの位置づけがどうなのかまでは知りませんが、日本の事情を理解していただければ幸いかなと、そうすれば、ある意味、オリンピックが、日本古来の、また本来的な、最上のおもてなしになるのではないかと思います。
築地の場内市場は、流通ルートの変容にともなう物流量の縮小に伴って移転を機に廃業したのか、あるいはこの時期に早め休業を選択したのかは不明ですが、閉店している店が目立っています。
臨海部において、高層建物の地下にピットホールを設けて、建物荷重の反作用として存在する地下水圧の上向きの力(建物からすれば浮力)を、ピットホールで水抜きさせて逃がすのは、基礎杭工法を前提にすると当然のようですから、地下空間があることが悪いことでもないし、ピットホールの本来の役割を考えると、水が溜まるのは本来の機能がきちんと果たされているわけですから、問題になるはずもない。
立地条件はもともと判明していたこと。
ならば、早く、移動の号令をかけて欲しいというところです。
さて、建築問題として、熊本地震と鳥取地震がありましたが、熊本地震では、築浅の木造建物が倒壊したケースもあったということですが、それが、現在の建築基準法では義務づけがないが、普通やらない施工をした結果の倒壊であれば、そこは法律を変えていくべきかと思います。
ところで、建築基準法というのは、つくづく面白い法律だと思います。窓のない部屋(正確には採光の条件が満たされない部屋)は、我が国では居室と認めないとか、根拠がありそうで根拠がない壁倍率なる定数(ここでいうのは、壁倍率の数値算定に根拠があっても、壁倍率なるものに、どういう科学的位置づけがあるのかという意味です)が建築の基礎になって、風力、地震力、積載荷重に対する耐力の有無を判定する等、誰が考えついたのかは知りませんが、国民生活の、建物の対する理想と、実際に建物を建てる大工が使える内容にする妥協が、いい具合に盛り込まれています。
建築法制は税法並に短期間で法令改正を繰り返す分野ですが、理想論と現実の妥協が、いい感じで詰まっていると思います。
最初に問題にした豊洲問題は、建築基準法制定時の想定を遙かに超える、特に鉛直に長い建物の出現(計算上、単位当たりの荷重が非常に大きくなる)は、また地下水の揚水が当時より激減した現状では、想定外であった地下水圧の問題まで配慮しなければならなくなったというわけです。
20170512補足
地下水についての話として、観測データの豊富な検証経験と見識をもって簡単に書かれている文献として、岩波新書「地下水は語る-見えない資源の危機」という本があります。
地下深い所の水の流れ、特に、揚水過剰で渇水が起こると渇水状態にある地域に向け、新たな地下水の流れができるというのが、大変興味深く、地下水の揚水過剰が継続すると、当該地域だけでなく、もっと広域に渇水が生じ、結果、地方全体が本当に干上がる状態が生じるのだと、素人にも想像できました。
地表の水資源の状況は、その地形に大きく左右されますが、永久凍土でもない限り、地下水脈は、例えばサハラ砂漠直下であっても、きちんと存在するとされており、地下水くみ上げが地下環境に与える影響は、同じ仕組みと考えられます。
2 市場の問題と連動する問題として、東京都の支出するオリンピック施設会場をどこにするのか、問題になっていますが、私は個人的には長沼案に賛成します。
オリンピックは、世界的な祭典ですが、日本で行う祭りの意味は、基本的には死者を慰めるものが祭りの発祥であることも多いのです。
また、この島国で社交的ということはありませんが、自然災害が多いこともあり、年2回の彼岸、盆(迎え火で迎え、送り火で送る)と死者をもてなす機会が、やたら多い国ではあります(あのオリンピック誘致のレセプションの「日本はおもてなしの国」という表現は疑問を感じますが、別の意味で手を合わせてもてなすことが多いことは事実なのでしょう)。
今回、津波災害の犠牲者が多かった東北でオリンピックを行うこと、また水の競技(特に今回は外海でやるものではない。)を行うことに、一つの意義を感じます。
世界的に祭りの位置づけがどうなのかまでは知りませんが、日本の事情を理解していただければ幸いかなと、そうすれば、ある意味、オリンピックが、日本古来の、また本来的な、最上のおもてなしになるのではないかと思います。
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