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投稿者 : admin 投稿日時: 2015-01-25 (835 ヒット)
 年末は久しぶりにほぼ一日中料理三昧で、サツマイモをこしたり、練ったりと日頃できない料理作りをしました。ごまめはうまくいったのですが、うっかりレシピ通りに作った黒豆が、早い段階で入れた塩により甘さが十分に出せず、ちょっと失敗してしまいました。

 さて、冒頭の「RPG」は、SEKAI NO OWARIの曲名です。子どもが聞きたがり、何回か一緒に聞かされたことがある程度だったのですが(曲名にもバンド名にも抵抗感があったため)、大みそかの紅白のDragon nightは、大変象徴的でした。いろいろ考えさせられました。

 世界平和は、RPG(ロールプレイングゲーム)の中にしか存在しないのか。

 対立する者同士の融和が、限りない夢物語に近いとの現実を理解しているからこそ、逆にあこがれるのか。
 この歌のように、互いに自らのイデオロギー(いわば正義)を否定し合う者同士が、一度でもいいから争いを止め、戦闘を止め、「友達のように」おしゃべりをし、「友達のように」一緒に歌を歌えれば、何か変わるのでしょうか。
 
 イスラム国(ISIL)の殺害予告により、中東の紛争が遠く離れた日本においても現実になってきました。
 ここ数日、いろいろな報道が出て、イスラム国の記事が充実し、情報が豊富に出回ることになり、ようやくどういう組織なのか、大まかなところは理解できるようになりました。
 注目すべき点は以下の点でしょうか。
1 イラクフセイン政権バース党のメンバーがいる。一定の統治組織があり、一部では既存政権より評判がいい。地域住民に一定数受け入れられている。
 その意味で、単なる戦闘員ではないブレインが存在する。イラク戦争は、その侵攻理由だった大量破壊兵器の保有は、事実ではなかったのですから、旧政権側にとっては正に濡れ衣により政権を追われ、その後の政治参加が閉ざされているのであれば、生き残った者が、被害者意識をもってもおかしくはないというわけでしょうか。
2 前政権の残党という形で、政権とは比べものにならない戦闘スキルを持ったメンバーがいる。
 空爆でおそらく主要拠点の空爆をしているにもかかわらず、組織として壊滅していない、一定の地域支配を継続している
3 独自のイデオロギー(イスラム教の主流ではないため信仰という言い方は使わないこととします。)を持っている
 
 個人的には、「ジハード」と言われても、『女たちのジハード』という小説の題名を連想するとか、イラン・イラク戦争での政変直後でがたがただったはずのイラン兵の底抜けの精神的強さくらいしか頭に浮かびません。
 イラクと言えば、イラン・イラク戦から始まり、クウェート侵攻、シーア派への大弾圧等、内外に対して武力行使によりその名を有名にした国でもありますから、その延長線上でイスラム国が存在するのでしょう。また、イラク戦争は、内部抗争の結果ではなく、(実は大量破壊兵器はなかったという意味で)謂われなき外国部隊の侵攻により政権を追われた彼らが、彼ら独自のネットワークで外国人部隊を呼び込んでも再度の政治的行動を起こしても、おかしなことではありません。

 はっきりしていることは、数か月の激しい空爆でも崩壊しない結果からすれば、いくら諸外国が否定しても(長期にわたる空爆などできないのですから)、イスラム国は、確かにそこに根付いており、当事者はともかく、諸外国が口出しできない状態として確立している事実を無視することも現実的ではないと思われます。
 アフガニスタン、パキスタンのタリバン、エジプトのムスリム同胞団、タイのタクシン派(前首相派ですか)も然りですが、いわゆる貧困層を支持母体とし、それゆえ、支持人口比は高いが、政治的経済的な基盤が弱い組織は、どこにでも一定数存在し、支持母体がなくなることはまずないので、存続し続ける傾向にあります。その対策としては、彼らを武装集団にさせない努力が必要で、それをしなければ、中東以上に混迷を極める中央アフリカ諸国の状況になってしまうような気がします。
 本来であれば、政権側は、こういう組織の有能な人材を引き抜いてうまく取り込むべきなのですが、聞くところによれば、イスラム国では、逆に、その地域の政権側の役人をそのまま継続して雇用しているとの話であり、なかなか・・・。

 シリアの内戦は、争うことが争いの目的になっており、イスラム国への空爆は組織の壊滅ではなく、戦闘力の減殺が目的になってしまっており、結果、前者では石油と言う地下資源とパトロンの存在故、破壊行為のスパイラルに陥り終わりが見えなくなっており、更に、後者は住民の支持を一定程度保持する故(逆に言えば、イラク復興の勢力図に不満を持つ住民が相当数存在するため)解決に結びついていない点は、もっと問題視する必要はあるのではないでしょうか。

 イスラム国について言えば、個別の少数民族、宗教的少数派への虐待、虐殺の報道はありますが、支配地域比からすれば、おそらくそれはイラクという国で見れば、大きな問題ではなく、これらの問題解決は、個別対応として地域を限定して個別に救済を図るのが本筋のような気がします。
 イスラム法でも、国際法と同様に、残虐な行為が禁止されているのは、おそらくさほど変わりがないはずで、報道される残虐行為が、追い詰められた政権内で、内部統制が効かない結果生じたのか、残虐行為を積極的に容認した結果生じたのか、どちらか見極める必要があります。
 全体的な流れからすればイスラム国の場合には前者と考えるのが妥当であり、解消が内部統制の正常化で実現するのであれば、残虐行為解消はさほど難しい話ではないのではないかと思います。
 治安が極端に悪化する大きな政変の混乱時には、残虐性、悲惨さはつきものです。ベトナム戦争の例でいえば、サイゴン陥落時の無政府状態に関する報道に心を痛めた人も多かったと思いますが、これは、まさに混乱期のイラク、シリアに通じるともいえます。したがって、混乱が解消されれば、ある程度状況は改善されます。現在のベトナムが、悲惨な状況にあるとの話はありません。

 イラクについて信託統治その他の直接の関与をしないのであれば、一定の自立・私的自治を、当該国民自らに任せる必要がありますが、中東は、もともと、民主主義が発達しているわけでも、法の支配が発達しているわけでもありません。産業の中で石油関連が突出して潤っている極端な偏りがあり、また、気候は一定で、治水その他中央集権を必要とする地理的要因もなく、更に地政学的に中央集権国家を取る必要もないとすれば、傀儡のような即席の政権に政治的、軍事的基盤を持たせても国家存立の地理的必要性が薄いわけですから、結局、政治的な内紛、混乱がなかなか解消せず、イラク戦争後の自立プログラムが進展しない現状になるわけです。
 イラク国内にとっても、周辺地域、また世界としても、問題の解決のために、過去、外部に侵攻を繰り返したイラクにくすぶる国内事情を再度きちんと情報収集・分析をし、イスラム国が何を目指して独立国を求めるのか、それを阻止するのであれば現実的解消策としてどうすべきなのか、適切な解決策を探る必要があるのではないかと思います。

 急がば回れと言いますが、取らぬ狸の皮算用よろしく、傭兵としてイスラム国に関わった者が帰国した時に悪影響だから、これを阻止するというのは、阻止そのものは当然生じる政治力だとしても、そこに時代の流れがあるとすれば、阻止は実現しない場合があります。
 欧米の歴史を紐解けば、アメリカ独立戦争・フランス革命の影響を最小限に抑えるため荒れた歴史はありましたが、長い目で見れば、どれほど警戒しても、時代の流れには逆らえず、欧米で王政が残っている国の方が少なくなっています。歴史の流れは、そうやすやすとは変えられないわけです。

 2014年9月からの空爆で軍幹部クラスが数千人も死亡したという報道が正しく、それでも、イスラム国が組織として残り、支配地域が存在するというのであれば、空爆では無理と悟るべきであり、かと言って、イラク戦争を再度行うわけにもいきません。
 国内問題については外国は不干渉であるべきとの、現在の国際法の基本原則すなわち国家主権に基づけば、もはやイスラム国がコントロールができないと認めるべきであり、空爆以外でのイスラム国へのコントロールのあり方を探るべき時期に来ているのではないでしょうか。

 つまり、問題は、存在を最初から否定してかかるではなく、国際法の枠組みの中で、誰にどの地域の支配を認めるのか、その支配をどういう条件をつけて容認するのか、どこかで折り合いをつけなければならない状況になっていると思われます。流れを止めることはできないが、一定の方向性をつけることは、たぶん可能だと思います。
 もちろん、イスラム国側も、世界規模の統一規範という意味で、ある程度確立している国際法(国際公法)に基づいた対応をする必要はあります。

 国際公法は、慣習法(コモンロー)がもとになっていますが、それだけでなく明文化されているものも多く、世界の各国は「どの国」であっても、国際法を遵守することになっています。(ちなみに、現実的なところで、日本として一番頭の痛い問題は、中国船舶が世界的な航行ルールを無視して航行し、船舶事故を起こすことなのかも知れませんが。)

 イスラム国に拘束された日本人の方のご冥福をお祈りするとともに、残りのお一方の、一日も早い無条件解放(国際法の原則からすれば、殺害または理由なく拘束することはできない)と、中東地域の、争うために争っている不毛な戦いが早く解消されることを祈念したいと思います。

2015.01.31補足
 今ヨルダン人パイロットの生存が取りざたされていますが、これが「戦争捕虜」であれば捕虜については生命身体の安全を保障しなければならないことに国際法上なっており、たとえ、爆撃によりいくら人が死んだとしてもそれを個人として罪に問われることはないことになっています(イラク・シリアで国と国が交戦状態にあるわけではなく、また有志連合の空爆は国際法上の平和維持活動でもないので、このパイロットは、国際法上の戦争捕虜ではない)。
 有名なところでは、東京大空襲で出撃したB29のパイロットが日本軍の捕虜になった際に、あまりの死者の多さに殺せと判断した責任者は、捕虜の安全を保障した国際法の違反により、東京裁判で死刑になりました(軍法裁判等裁判手続きを踏んでいれば、場合によっては違った結果になったのかも知れません)。
 東京裁判の裁判記録は、ある意味、欧米主導で確立した国際公法のルールを具体的に体感できる内容になっており、欧米でない諸国にとっては、反面教師としてのいい材料になると思います(納得の如何に関わらず、国際法の適用を受け入れるのであれば、これに甘んじなければなりません)。

 さて、今週の大きな動きとしては、NATOが、イラク政権に安全保障の協定(?)の受け入れを再度迫ったことでしょうか。
 イラク政権がこれを受け入れると、東欧と同様にNATOが空爆する正当な根拠が生じます。個人的には、曲がりなりにもヨーロッパの一角である東欧と中東では、地理的にも民族的にも大きく異なり、伝統的な考え方も異なるのですから、これにおもねることは避けるべきと考えます。東アジアもそうですが、長い歴史があるということは、歴史に根付いた伝統的価値観、思想、考え方があり、欧米の政治理念を直ちに受け入れて成功することは大変難しいです(個人的には、ハンムラビ法典かと思えるような法の遵守が叫ばれている地域では、欧米の政治思想理念の取り入れは急激な改革になりすぎる。これらの融合にはそれなりに時間がかかる)。極論すれば、カンボジアのポルポト政権のように果ては虐殺へと駆り立てられた歴史すらあります。ですから、まだ、早すぎます。
 イスラエル問題があり、イラク政権はこれを早々受け入れることはないかとは思いますが、撤回は困難なので、NATO受け入れによる欧米の価値観による武力行使を本当に受け入れる覚悟があるのか、慎重に対応すべきところです。
  
 国際法からいえば、刑法に抵触する犯罪を犯した組織(武装、非武装を問わず)を、当該国家の政府が検挙・壊滅させることには正当性があります。が、空爆により救われる市民(そこに住んでいるまたは住んでいた地域住民の意味)が存在しないのであれば、またその組織に対する地域住民の支持が確立しているのであれば、民主主義を標榜する場合には、素朴に考えれば、空爆の正当性はないとも言えます。

20150201補足
 本日、もう一方の日本人もイスラム国に殺害されたとの報道がありました。
 2人目の日本人の殺害を「権威と力を持ったカリフ」の「国」(すなわち組織全体)として行ったとのこと。
 同じ日本人として、この結果は大変残念であるとともに、これでは2014年9月以降今日までのイスラム国の対応と何ら変わりがありません。
 殺すべきでない人を殺し、残虐行為が組織として行われたことは、見過ごせません。メディアで大きく取り上げられていた昨年の人権派女性弁護士殺害の報道を目にしたりすると思うところがなかったわけではありませんでしたが、日本人のことはまた別です。
 紛争地域で過ごす彼らの、死と隣り合わせの日常、すなわちあたかも人を殺すことが自分たちの明日を守ると信じる状況で(こういう異常な状況が続くことが一番の問題なのですが)、日本人も同様(すなわち危険なところには行ってはいけないということ)という改めて認識したわけですが、この結果は、やはり同じ日本人として大変残念です。
 
 今回の件も国際法違反となるわけですから、組織内部での適正処罰がなされなければ、イスラム国の国家承認には程遠いこととなります。
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 

投稿者 : admin 投稿日時: 2015-01-01 (1161 ヒット)
(一足早いですが)寒中お見舞い申し上げます。
 今年は喪中のため、年賀状は失礼させていただいております。
 年賀状を下さいました方、ありがとうございます。様々な方のお元気でご活躍されている拝見し、やる気をもらったような気がします。

 さて、今年は阪神淡路大震災から20年、来年3月で弁護士登録して満20年になる、20年目の節目に当たります。
 平成6年から2年3年間の修習時代には、自分の20年後の弁護士像など考えられなかったものですが、過ぎてみれば、いろいろありましたがそんなに長くなかったというのが感想です。
 この20年の間に、刑法の条文はカタカナ表記からひらがな表記になり、罪名が若干変わり、会社法ができ(条文はあったが商法の一部でした)、法律の世界もそれなりに変化しました(法曹は言わずもがなですね)。
 今年は「為せば成る、為さねば成らず」をモットーに様々なことに試行錯誤していきたいと思います。

 昨年、子ども関係で合気道の体験教室に行きました。
 昔、中学生のころ学校のクラブ活動で、いざという時(痴漢対策)にためになると言われ友人らと1年間合気道をやった経験があるのですが、その時は、けりと受け身、腕をつかまれた際の腕の外し方等で、接近技は一切なし、むしろ相手を寄せ付けないように動く練習をするというものでした。
 体験教室は武道としての伝統的な合気道で、熟練の技が光ったものでした。二つを比較して、前者は実践のみだったのだなと感心しました。
 
 子ども時代の体験は何気に覚えているものです。また、子ども時代の大変な体験や挫折体験は、決して無駄になりません。多感な子ども時代に、様々な困難を克服していけば、それに応じて精神はタフになっていき、また、その時に感じた様々な教訓や思い、身につけたことは、その後の人生に生かされます。
 修習生の時に神戸で震災に遭ったのも、無事であればこそですが、次に生かすべきいい教訓となったと考えられるようになりました。

 来年は早 年女ですが、子どもの可塑性を見習い、変わるべきところは変え、無駄にならない一年を送りたいと思います。
 今年もご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。

投稿者 : admin 投稿日時: 2014-10-16 (1161 ヒット)
ずいぶん前に読んだ文章に「昔の人は、女の子が生まれると家に桐の木を植え、その子が大きくなったら伐採して嫁入り道具にする桐ダンスの材料にした。10年以上も先のことを考え、誕生を祝ったのだ」という話がありました。
 桐の大木が家のそばに残っているのは、複数回、目にしたことがあります。
 職場の近くの長屋の隣にも(再開発地域の中にある)、桐の大木があり、結構な勢いで種を飛ばし、周りに何本か桐の若木が生えている場所があります。
 桐の大木は途中までは、枝打ちがなされているので、少なくとも数十年はきちんと管理されていたものと思われますが、桐ダンスになることなくそのまま大木に成長した桐の木を見ながら、このうちの女の子はどうなったのか等、想像が尽きません。桐の大木が、再開発後も残ればいいのですが。

 さて、お隣の韓国で、日本の新聞の女性大統領のプライベートに言及した記事が名誉棄損だと、記者が刑事訴追されました。
これにより、日韓首脳会談の見通しは、全く立たなくなったということになりますが、韓国にとっては、慰安婦問題未解決を理由に会談しないと言っているわけですから、日本側からの働きかけがなくなった分、渡りに船ということでしょうか(私個人としては、慰安婦問題は、これ以上の虚偽の流布を防止するためにも、謝罪も賠償もすべきでないと思います)。

 韓国政府は、ある新聞社にはお中元を配り、この新聞社は韓国政府に非迎合的(記事的には、反省がないとのコメントでしたか)との判断で刑事訴追ですから、一体何を考えているのかと言いたくなりますが、その前に、一体韓国とはどういう国か、この国内情勢を理解しなければならないような気もします。
 インターネットが発達した今日では、韓国大統領が初の女性大統領で難しい扱いを受けており、国鉄民営化のような政治判断をすると韓国女優から「そんなに金が必要なら・・・・」と女性特有の誹謗をされる、ワシントン訪問をすると韓国系米国人の若い女性にセクハラを行った男性随行者の騒ぎが生じるなど(随行者にしてみたら国内と同じノリで対応した程度の認識だったのかも知れません。)など、いろいろ大変な情報は入ってきます。それに加え、問題の記事が、沈没事故で韓国国会が長期間空転する中、韓国政府としては絶対に出したくない事故直後の記事であった点も問題だったのでしょう。韓国政府として、細心の注意を払いたい時期に、一番ナーバスな記事が出てしまったところを問題視するという事でしょうか。

 しかし、日本国内にいれば、そんなことは全く関係がありませんし全く関心が払われません。ゴシップ記事に近い内容の記事とも言えますが、だからと言って、韓国女優の発言のような意味合いがあったのであればはともかく、この程度で新聞記者を訴追する必要はないし、韓国政府が公の場で真偽を明白にしたのですから、それで終わる話です。また、情報源の韓国の新聞の新聞記者も同様に記事にしているのにおとがめなしというのも平等ではありません。これでは恣意的な政治力が介在しているという批判になります。

 過去に、韓国の若い人に、「ちょっと話は変わるけど・・・・」と雑談的に、お金を借りて返せなかったら(日本では)逮捕されないのか と聞かれたことがあります。
 外国人の相談は、基本的に日本の法律の立法趣旨(なぜそんな法律があるのか、根本的な素地がないため、いわゆる1条に記載されている制定目的の説明しなければ理解が得られないため)から説明し、条文の解説をするのですが、さすがに「韓国では、お金が返せなければ逮捕されるから(質問をした)」と真面目な顔をして言われたので、「間違いではないか。日本ではお金を返せない程度では逮捕されない」と回答しました。
 実はこの回答の微妙なところは、取り込み詐欺等、詐欺との絡みで、未返済も刑事事件になり得るところです。
この若者の心配が、詐欺での逮捕が簡単に立件されるのではないかとの懸念であれば、韓国ほどではないというのが、より詳細な正しい回答となります。

 国境を超えて空き巣犯、スリ、架空投資話等、いろいろな犯罪、犯罪者が日本に入ってきますが、同じ経済犯でも、空き巣、スリ、窃盗は、比較的、世界共通の客観性がありますが、詐欺については、条文、裁判例を確認しなければ自信を持って回答できません。名誉棄損も同様です。
 刑事訴追は、その国の政治色が反映されますが、インターネットが発達した今日であっても、日本の読者に向かっての情報発信に、韓国国内事情を意識せよと言っても無理があり、この程度で名誉棄損で立件するのは政治的と言われても仕方ないと思います。
 韓国当局は、日本大使館前の日本政府に対する抗議運動に対して何もしないのですから。

 相手を知ることは相互理解を図る上で必要不可欠なことですが、日本も韓国も、国民主権、民主主義を掲げる以上、正しい民意の反映のための必要不可欠のツールとして、表現の自由、報道の自由は確保しなければならず、それは右寄り報道でも左寄り報道でも、中道でも同様です。
 様々な情報、様々な議論があってこそ、よりよい判断が生まれ、愚衆政治の抑止となるわけです。
 東日本大震災時の民主党の首相などは、今回の韓国大統領など比較にならない位ひどい言われようでしたが、もちろん、日本では、これが名誉棄損になることは民事事件としてもありませんでした。歴代首相には、今回と同様の場面でゴルフをやっていたことが暴露され、退任した人もいます(だから単純にプライベートとも言い切れない。)。
 報道の自由(憲法21条)に関しては、特に公人に関しては寛容である必要があります。これは、憲法21条知る権利の確保につながるとともに、国民主権(1条)、民主主義(憲法前文)の実効化に不可欠なため、必ず確保しなければなりません。

 韓国国内の場合には、与野党が日本以上に拮抗し、反対意見(「なんでも反対」なのでは との疑問もありますが)がすぐに出てくるのが救いですが、本件の解決として出国禁止措置を解除して出国させ、裁判の停止をさせるのが、傷を広げない一番の解決策だと思います。
 

投稿者 : admin 投稿日時: 2014-10-04 (854 ヒット)
今年の夏の自然災害の大きな事件として、広島の土砂崩れが挙げられます。犠牲になった方々のご冥福をお祈りしつつ、これを話題にしたいと思います。
 このニュースを聞いた時に気になったのは、犠牲者に思ったより若い世代が多いことでした。市街地からやや離れた山のふもとであれば、昔ながらの少々さびれた土地を想像しますが、どうも新興住宅地だったようです。

 人の移動は村から町へ、町から中規模の町へ、中規模の町から都市へと移動があるため、そこそこの規模の街であれば、どこでも、新興住宅地はあります。

 住宅造成の際に、都市計画法による開発許可の必要がないミニ開発をすれば、なし崩し的な開発となるため、災害対策が甘くなる危険性があります。今回はそれだけではなく、土砂の流出量が多く、しっかりした住宅も完全に押し流していますから、砂防ダムを設置すべきであったという話になっています。
 
 しかし、私は、砂防ダムの設置以前の問題として、そもそも開発がある程度進んだ広島の規模の都市で、また極端な人口拡大が望めない状況で、山を切り崩し、新たな土地造成をする必要性に疑問を感じます。
 この場合の根本的な解決策は、広島の市街地の再開発ではないかと思います。
 広島市内は、市電が囲むように走る中心街は、若干シャッター街が見受けられるとともに、夜間人口がやや少なく、空洞化が進みつつあるのかなと感じます。少子高齢化の中では、職住接近、また車を使わなくても日常生活が送れる環境は、必ず必要となってきますので、今回の一番の有効な対策は、これが可能な、住宅地確保を目的とする市街地再開発です。再開発により住宅地を創出すると、新興住宅地と同様、地域のしがらみが薄いコミュニティーができるわけですから、移住しやすい環境もでき、人口を呼び込めるのではないでしょうか。
 今回の災害をきっかけに、是非中心部の都市計画の見直しをして、商業、工業、農業、漁業のバランスの取れた、活気ある都市にして欲しいと思います。

2014.10.11補足
行政による都市計画のかじ取りは、市街化調整区域の指定による開発抑制と市街地等の指定による開発促進が一般的です。
線引きは行政政策に基づきますが、東京近郊の県で、民家やマンションの中に畑が点在する地区でもなぜか市街化調整区域になったりするのは、さすがにどうかと思います。



 地方都市の街並みとしては、北海道伊達市、富山市、福井市などが評価が高いようですが(コンパクトシティとしての、未来型都市の理想形としての意味です。)、残念ながら、どこも今まで行く機会がなく、訪れたことがありません。どこも一度は行ってみたい街です。
 地方自治体の最近の話題といえば、ふるさと納税でしょうが、地元産業振興に直結する名産品の贈呈は、納税も増え、また地域振興も図れるわけですから一石二鳥の施策と評価できます。

 さて、本題です。
 広島の街中を歩くと至るところに原爆関連の観光の案内板がありますが、その中に、原爆投下直後、広島の人々のどの組織がどこで救護活動等をしたのかを表示する案内板があります。その案内板には(探せばいろいろなところにあります。)、原爆投下直後、市内から市街に避難する多数の市民がいたこと、それとは反対に、逆に市外から市内に入り、あるいは市内の中に残った多数の人々が組織的に被災者のために救護活動等をしたことが表示されています(日本語だけのプレートです)。
 当たり前のことですが、原爆投下された広島市民は、ただ単に逃げ惑っていたわけではありません。ケガをしていない者が、ケガ人の手当をして対応したのです。
 どうも、ヒロシマと言えば、「はだしのゲン」「ふたりのイーダ」「千羽鶴の願い」「黒い雨」など、子ども、学生などの立場からの本しか読まず、原爆と言えば、逃げ惑っていた人々しかいなかった印象を持ってしまっており、このプレートは大変新鮮でした。アメリカ軍のカラーフィルムばかりに目が行くから、更にそういう誤解をしていたのかも知れません。
 
 広島市は、町が広く徒歩での移動が大変な街ですが、市電を降り、街歩きをすると、博物館ではわからないヒロシマを感じられます。(ちなみに子連れの観光であれば、広島子ども文化科学館と広島まんが図書館も外せません。楽しみながら過ごしてくれるので、ありがたい施設です)

投稿者 : admin 投稿日時: 2014-06-22 (987 ヒット)
多忙による現実逃避を兼ね、つらつらと最近の生物学のニュースを日頃感じた疑問的に絡めて書いています。意見は個人的見解で、科学的実証はありません。悪しからず。

最近、松山高校の高校生が、アルビノのメダカ同士からアルビノでない正常なメダカが生まれるメカニズムを解明したというニュースがありました。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20140618/CK2014061802000140.html
簡単に説明すれば、生殖細胞においても「動く遺伝子」があり、その遺伝子によって、色素に関する特定遺伝子に問題があるメダカ同士でも、正常な色素の遺伝子を持つメダカが生まれることを科学的に立証したとのことです。
 補足*以前はアルビノは色素遺伝子が欠如した状態で、アルビノの個体同士からはアルビノしか生まれないと考えられていました。

 体細胞だけでなく、生殖細胞においても、動く遺伝子が存在するという発見はいかに生物がファジーなのかを如実に表しています。
 補足*このことにより、アルビノは、色素遺伝子が欠如しているのではなく、ゲノム的には存在する色素遺伝子情報に、問題が生じていることがわかり、またその遺伝子情報の問題が、動く遺伝子が原因となることで、遺伝子異常の時間的問題(無から有は生まれないという科学の定理と矛盾するずれの問題)の解決がなされたと考えます。

 個人的には、この遺伝子の存在は、良性腫瘍とガン細胞の分水嶺となる、ガン細胞の異常増殖の特質獲得のメカニズムを説明づけられるのではと期待していますので、将来的には大発見として位置付けられるのではと思うのですが、どうでしょうか。
ガンは、同一組織内で増殖するだけでなく、他臓器へ転移しますが、がん転移には一定のパターンがあります。臓器のつながりや、リンパ液等を介在して転移するだけではなく、臨床的には、血液、リンパ液での直接の繋がりはなく接触しているだけの臓器でもガン転移が起きると聞いた時、何かしっくりこなかったのですが、遺伝子情報に関する動く何かの存在があれば、説明できそうな気がします。
 補足*がん、腫瘍は細胞分裂の際のコピーミスすなわち遺伝子情報の異常複写により発生します。それまで正常だった細胞が細胞分裂により、問題が発生するわけで、そこに何らかの異常が時間的にはアトランダムに発生する仕組み、すなわち遺伝子情報が書き換えられるメカニズムがあるはずです。その内的要因の一つとして、この動く遺伝子の存在が考えられることになります。今までは、発がん性物質等、体内へ働きかける外的要因について研究が進んでいましたが、これからは、遺伝子情報的にどのように変化するか、内的に変化するメカニズムの解明が期待されるわけです。

また、たとえば、体細胞を万能細胞に代えるiPS細胞のがんの高発生率の原因も、動く遺伝子のような働きをする、遺伝子レベルでの自己修正能力により、説明できるかも知れません。
今後の研究に期待したいと思います。

さて、生物学のニュースと言えば、動く遺伝子よりずっとメディアに取り上げられていたSTAP細胞ですが、西洋的な科学が実証より予言・予測を重視する悪い所が出てしまったのかなと思います。
卵巣膿腫の例を考えれば、単細胞である卵細胞ですら突然変異するのですから、理論的には極限条件であればSTAP細胞となる確率はゼロではないと思いますが、証明がない以上、それまでとしかいいようでありません。
 補足*STAP細胞は、外的要因(いわば触媒)により細胞そのものが万能細胞に変化した細胞と言われています。これが細胞分裂により生じるのであれば、分裂前の細胞の性質を有しない点で、がんや腫瘍の成り立ちに似てくることになります。また、卵細胞は胎児の中で作られ、その後卵細胞としては細胞分裂することがないことから、卵巣の中で、別の体細胞に変化する卵巣膿腫のしくみは、細胞の仕組みは異なりますが、STAP細胞に似ているということになります。

何はともあれ、万能細胞として基礎研究試料としての確立した地位を築いているES細胞の存在があるも、臨床利用ができないというギャップが、倫理上の悩ましさとともに、問題を複雑化させています(一部には、その制限を超えて既に臨床が行われているとの記事が時たま発信されているような気もしますが)。
科学は、宗教、倫理の前でどの程度制限を受けるかどうか、たとえばどういう法制限をするのか、いつの時代も科学者に突き付けられた命題が、今も問われています。

2014.6.30 補足を加筆しました。少しわかりやすくなったでしょうか。時間のあるときに、再調査して加筆します。

2014.8.28補足
 STAP細胞の再現は厳しそうです。
 正常細胞が、簡単に万能細胞になるのであれば、生物としての安定性はとても望めないわけですから、38億年の生物(あるいは生き物)の進化の長い歴史は、少なくとも地球上の環境においては、この問題を不可逆的に解決し終えているということなのでしょう。
 ちなみに、人為的な外的要因(触媒作用)により正常な体細胞をがん細胞に変化させた世界最初の成功例は、日本人が成功させたおコゲで皮膚ガンを生じさせたケースです。柳田邦男氏の往年の名作「ガン回廊の朝」には結構詳しく書いてあったと記憶しています。学生時代に読みましたが一気に読めました。
 ガン細胞は万能細胞の対極に位置しますが、体内の細胞分裂の際のどんなコピーミスでも失敗した形はある程度決まっており、ガン細胞・腫瘍になるのですから、腫瘍・ガン細胞というのも、なかなか興味深い存在です。

2014.12.19補足
 STAP細胞の再現断念とのニュースが本日流れました。専門家ではないので、STAP細胞があったのかなかったのかはよくわかりませんが、結果はともあれ、科学には、実験と数限りない失敗はつきものです。社会「科学」を標榜する立場の者としては「失敗は恐れてはならない」と意見したいです。「東方見聞録の著者、かのマルコ・ポーロは生前ほら吹きと評されたが、内容に誇張はあっても事実であり、後世その功績が評価された」ことがいい教訓となると思います。世の中の偉人には、生前叩かれ死後に一転評価される人はたくさんいるわけです。
 本件が話題になるタイミングで、朝日新聞は、同じような話題でマスコミを騒がせた、クローン細胞の黄教授が、現在でも活躍していることを記事にしていました。
 失敗すれば、訂正し改善を試みればいいことです。記録の仕方が悪ければ改めればいいことです。そして、またやる気になった時に、研究を進めればいいのです。理研に限らず、科学の疑問、進歩に、果敢に挑戦していっていただきたいと思います。

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