ˡΧ̳
投稿者 : admin 投稿日時: 2022-03-17 (517 ヒット)
ウクライナ情勢による死者は、一日の世界のコロナ死者に匹敵する死者を出したようで、コロナより関心が集まりつつあります。
 
 アメリカ議会のウクライナ大統領の演説を見て、第一次世界大戦の前夜とはこういうものかと思いを馳せました。
 思えば、セルビアの青年がオーストリアの皇太子夫妻を暗殺(射殺でしたか)したことに端を発しましたが、第1世界大戦の前後で、スペイン風邪、すなわちインフルエンザの大流行があり、同時進行でばたばたと死者が増えて行く中、戦死者が多く出たのは、フランス、ドイツ、ロシア(ウクライナ含む)、オーストリアで、紛争発生国以外の死者が大半となりました。

軍の文民統制の下、軍人は決定があれば動くしかなく、戦争は政治家が「サイを投げ」たら止まらない。
政治家は、「賽は投げられた(サイを投げたら止まらない)」ことを肝に銘じなければならないと思います。

世の中には、人を煽るのが大変上手な方がいて、それをマネージメントする専業の方もいるでしょう。しかし、その扇動に動かされるのがいいのかどうか、今一度、原点に立ち返り、自らの立ち位置を再確認しなければなりません。

サイを投げない、すなわち、2国間の紛争を多国間の紛争に拡大させない枠組みの中で、この問題をうまく解決する課題が今、世界の政治家に突きつけられ、その真骨頂が問われています。

それは、決して無策の下、やみくもに武器(現在世界中から集まるウクライナへの支援金が全部武器購入に充てられるとすれば、それは武器供与と同義です)を供給して死者を増やすことではありませんし、第三国のトップがウクライナを訪問して運悪く亡くなってしまい、やむにやまれず参戦する羽目になることでもありません。

そもそも、私は戦争に勝つのが真の勝利ではないと考えます。

国という枠組みであれば、真の勝利とは、国民全体の生活水準、幸福度が上がってこその勝利ですし、ドライな言い方をすれば、生き残ってこそ勝ちという場面も多いはずです。
少なくとも、日本の戦後教育ではそのような流れに行き着きます。

ロシアの国土面積の多くを占める、シベリアや極東地域の人口の約8割はソビエト連邦時代にウクライナから来た移民という話ですし、北方領土も同様のようです。ウクライナ人はロシアの半分以上の国土や北方領土の中では絶対的多数の民族であり、それもある意味勝者なわけです。

したがって、夜間に外出したらテロと見なすとし、誰彼構わず射殺する必要はないし、また、無理に一緒に戦う協力者を見つける必要もありません。
70数年前「国民総戦力」を掲げたどこかの国を彷彿させるような、成年男性を原則全員戦闘要員とすることも、勝算ありきの話です(もっとも世界的に孤立しているのは、逆のようですが。)。焼野原からの復興は何十年もかかります。

今回は旧ユーゴスラビアで起きた特定の民族や宗教を、非道な形で弾圧、殺害した事件(域外でNATO介入がなされた件)とは全く異なります。

日本でもコロナ死者数が東日本大震災の死者数を軽く超えてしまい、しかも長期に及んでいるので、現実問題として社会不安が煽られやすい事態に、世界のどの国も直面していますし、コロナが収まっても、それは一定期間継続します。

サイを投げさせない枠組みの中で、すなわち2国間の問題に留まっている中で、問題をうまく解決する努力を忘れてはならないと思います。

個人的には、停戦条件としてはウクライナ中立化の下(全域をゲリラの巣窟にさせない)、ウクライナ上空の飛行禁止区域の設定を合意し、更にはウクライナ、ロシアには、温暖化による永久凍土が溶けた大地の農地化、及びその改良支援をテコに、国力の底上げ支援と、中央集権が徹底している国だからこそ起きてしまう、集中した富の再配分の政策実施だと思います(第一次大戦後のロシア革命でその再配分が共産主義という形で実現しましたが、もちろん、それを意図するものではなく、北欧のように税率を上げ、また累進課税の導入により再配分を実現することを想定します)。

どのみち、今後の地球全体の平均気温の上昇は避けられず、食糧問題を解決するのは、現在の農地での生産能力の低下をカバーするために、ウクライナやロシアなども含まれる高緯度地域に広大に出現し始めている溶け始めた永久凍土を農地化することは(客土により広域で地盤改良を施して耕地化する事業を言っています。)、いずれ必須になりますので、これも解決すべき課題ではあります。

私も、一日も早い、また誰にとってもWin-Winとなるような戦争の終結を希望します。

投稿者 : admin 投稿日時: 2022-02-04 (547 ヒット)
今回は、真面目な法律の話です。

相続が発生した場合、日本にあっては、必ず裁判所が関与しなければならないものではなく、「相続財産の保存に必要」と判断した場合に相続財産管理人が選任され、相続財産の管理が開始されます。

 民法918条2項を根拠とする相続財産管理人の選任は、成年後見制度の延長として申し立てられることが多くなっています。
成年後見制度を利用していた方が死亡したが、相続人がはっきりしないなど、相続人の確定に時間を要する場合に申し立てます。

これ以外に相続財産管理人が選任される場合は、相続人不存在の場合の952条や、民法936条での選任もあります。
国内であれば、被相続人の債権者などが申し立てる、952条の相続人不在の場合の財産管理人選任の申立の方が今までは多かった印象です。
 
 渉外関係の弁護士の中には、952条を念頭に、日本にはプロベート手続(財産管理制度)がないと言われる方もいますが、そうではありません。
918条2項を使って「相続財産の保存に必要」との疎明をして申し立てれば、相続財産管理人を選任することができ、それは被相続人のすべての財産に対し保存処分ができるので、国内外の資産に対して行使できます(当該相続財産管理人に対し別途現地法による権限認証手続きが必要な場合はあります。)。

 更に、2021年の相続財産管理制度に関する民法改正がありました。
 以前、私も市民電話相談で「売れないし、税金だけかかるので、相続した土地の所有権放棄はできないのか、民法239条2項で所有者不在の土地は国庫に帰属すると書いてあるから、放棄できないか」と質問されたことがあります。
 しかし、一旦相続をしてしまえば、所有者不在となるような土地所有権の放棄はできません。
 「いくら民法の規定があろうとも、その手続きを定めた法律が存在しなければできません。行政手続はすべて法律に基づいて行わなければならないという法の支配の原則から無理です」と、私が相談者に答えると、面倒なんですねという感想を述べられたことがあります。
 面倒であろうとなかろうと、法律に基づく行政(行政手続きは法律に基づいて行わなければいけないこと。法律を行政の裁量権逸脱の抑止力と位置付けます。)は守られるべきで、手続法がないとできません。

 もっとも、相続人不在・不明の土地が社会的に増えたため、それに対応できる法制度として、2021年に相続制度の見直しが行われました。
 相続しても不動産を国庫に帰属させる唯一の制度であった、相続税の物納要件の厳しさと比較すれば、かなり前進した内容になっています。

 その中で、相続財産管理制度の積極的活用ができるようになりました。
 具体的に何が変わったかというと、918条2項が、基本的制度と位置づけられ、第3章 相続の効力 第1節 総則 の 897条の2に移動しました。
 また、897条の2ただし書が新設され、897条の2ただし書の反対解釈により、相続人が一人でかつ単純承認した場合や、遺産の全部分割がされた時や、相続財産清算人が選任された場合以外は、広く相続財産管理人が選任できると明示されました。
 
 つまり、日本でも必要があれば、相続財産管理人が広く選任することができると条文で明確になったのです。

 現行法の918条2項や、2023年施行の897条の2本文は「家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、いつでも、相続財産の管理人の選任その他の相続財産の保存に必要な処分を命ずることができる。」と規定します。
 この条項は、例えば海外に資産があり、相続法そのものは日本法が適用されるとしても、その手続法は現地法に委ねられる関係で、相続財産管理人の選任が必要であったという事案にも、利用できます。
 これを利用することの一番のメリットは、国内では戸籍制度の完備で相続人の範囲・特定が一義的に明確なのに、外国の裁判所や財産管理人に、日本の戸籍制度、財産状況を最初から、しかも外国語で説明しなければならない、大変面倒な手間が省略できることです。

 海外資産の相続で悩んでいる方は、現地の相続財産管理人を選任するのではなく、日本の裁判所に相続財産管理人を選任し、海外資産の相続手続を取ることを検討されるといいと思います。

 このサイトは、意図して日常業務に関連することは、極力話題にしないようにしていますが、財産管理制度という国際法とからむ問題のため、あえて話題にしました。家事に精通している渉外関係の弁護士は、多くないようです。

投稿者 : admin 投稿日時: 2021-04-12 (754 ヒット)
 4月から新年度がスタートしました。
 今年開催の東京オリンピックは、コロナ禍により、全世界で同じように万全の準備ができない中で臨むわけですから、特徴的なオリンピックとなるはずです。
 観客席を国内観客に限定し、余りが出そうですが、ソーシャルディスタンス分に回される可能性があり、観客席の追加販売があるか不明ですが、追加販売があれば見に行きたいと思います。

 さて、WHOのコロナ調査が、中国政府の協力のもと行われ、新型コロナウィルスは武漢を起源とするとの発表されました。

 以前読んだ本によれば、中国では役所の発表より人々の噂話の方が、信憑性が高いそうです。人口が14億人もいれば、中央政府に上がってくる情報は自ずと少なくなり、情報統制の有無以前の問題として、絶対的情報量が少ないことは、念頭に置く必要もあります。

 この一年間のコロナニュースは、武漢市の閉鎖と、中国のいかにも健康そうな現役の若い医師が、原因不明の肺炎があることを公表し、あっという間に命を落とし、呼吸器疾患が原因だったということから始まりました。
 SARSなどの時に比べ、衝撃的だったのは、人工呼吸器を付けたこの方の写真が深刻な疾患だと感じさせなかったこと、この方の理路整然とした遺言内容からすれば、まるでガン患者並みに(ガン患者の場合は症状がかなり進んでも意識清明の状態が続く)かなり最後まで意識清明の状態にあったこと、すなわち、全身状態がさほど悪くないのに亡くなったことでしょうか。
 私個人としては、この方の話題によりコロナの深刻さがリアルに感じられました。

 その後の単発的に出てきた中国からのコロナニュースをかいつまんで総合すれば、
1 もともと雲南省の廃鉱山の廃坑に入ると重い病気になるから入ってはいけないと言われていた場所があった。
2 廃坑にはコウモリが住んでいた
3 あるとき武漢研究所の研究員が訪れ、調査をした
4 現在その地域は外国人ジャーナリストは立ち入り禁止になっている。
5 武漢を中心にコロナが広がった
6 武漢研究所の近くには市場があった
7 新型コロナウィルスはコウモリ由来である
ということでしょうか。

 おそらく、1のウィルス(ウィルス性疾患であればの話しです。)は、かなりの強毒性があるようですので、1と5には大きな違いがあります。
 しかし、もともと新型コロナウィルスの特徴は、時間経過とともに、易伝播性(正しい言い方ではありませんが、感染、発症以外も含むウィルスの広がりを言っています。)と弱毒性を獲得してきたように思えることと(もともと武漢で流行したコロナウィルスの型は、現在世界に蔓延している型より、死亡率が高かったと言われています。易伝播性の兼ね合いから、感染率、重症化率も考察する必要があります。)、未開の土地なら別でしょうが、中国武漢で、突然未知のウィルスが爆発的に発生するとは思えないで、両者は同一と考えるのが素直だと思います(ちなみに、私は、中国のコロナ死者数は、公式発表ではなく、年金受給者の減少数から逆算すべきとの見解に賛成です。)。
 以上、全くの私見ですが、変異型の問題解決の糸口が、イブ(最初のウィルス)にあるのであれば、雲南省こそ調査対象にすべきだと思うのは、私だけでしょうか。

 雲南省と言えばレアアースの採掘が盛んですが、レアアースの発掘により生じた有害物質の暴露下での、コウモリが獲得した特殊体質の副産物として変異したものが新型コロナウィルスの原型なのか等、常在菌のような存在であるはずのコロナウィルスの変異過程も、いろいろ考えさせられます。

2021.7.4補足
 新型コロナの治療薬、予防薬(具体的には書いてありませんでしたか、データからすれば濃厚接触後の発症防止という意味でしょうか)としてイベルメクチンの有効性が言われており、世界的な統計分析からすればかなりの成果が出たとのことです。
予防薬として効果もありそうだというのですから、体質的にコロナワクチン(予防)接種を受けにくい方にとって朗報となるのでしょうか。期待したいところです。

2021.8.3補足
「海外から東京2020に参加された方々のオリンピックは、2週間の隔離が終わるまでが オリンピック」です。
 
 オリンピックの開催直前から爆発的に増えた国内感染者は、医療体制の圧迫となっています。これは、コロナ感染症が、その感染規模に比して指定が高いことに問題があり、例えば第5類感染症に指定されれば、病床問題は一気に解決するとも言われています。
(医療従事者のワクチン接種がほぼ完了した現状では、現在の結核並の対応ではなく、インフルエンザと同じレベルの感染症指定とすることで、受け入れ可能な病床が増え、インフルエンザ並の治療が受けられるようになり、入院が必要な患者が自宅療養になることは回避できるという議論。非コロナ患者はワクチン接種済みの入院患者であることを条件に、コロナ患者の隔離体制を緩和することになる。)

 個人にできることとすれば、コロナに感染しても発症しないよう、日頃の体調管理に気をつけ、また、マスク着用を徹底するということでしょうか。

 さて、東京オリンピックもそろそろ終盤になろうかという時期になりました。これまでは、日本国内に持ち込まれたコロナウィルスの国内の蔓延が問題となりましたが、今度はオリンピック関係者が日本から全世界に戻る問題が生じます。
 関連施設、宿舎で様々な人と交流する中で、無症状のままコロナに感染することは、全くないとは言い切れません。

 よく言われますが、「遠足は家に帰るまでが遠足」です。つまり、「遠足に行って家に無事に家までたどり着けなければ、それは遠足で事故に遭ったことになる。今後の遠足計画に支障がでる」ということです。

 オリンピック参加により、コロナが世界に再拡大したという結果にならないよう、無症状の可能性も十分あることを念頭に、きちんと隔離期間を経て無事に帰宅していただくことを切に願います。

2021.08.19補足
 日本国内のコロナの感染拡大は衰えを見せません。一か月前には全く想定していない拡大です。
 更に洪水が続いています。欧米では砂漠地帯でもないのに乾燥化し、熱波到来で各地で夏の山火事が多発しているとのことですが、今回の洪水は対象地域が広いため、大きな災害といえます。
 このような状況で、今、日本がどう見られているかという象徴的な出来事として、本日、韓国のいわゆる徴用工裁判で債権差押命令を出されました。
 対外的に見ても、日本政府の政府機能に負荷がかかっており、「隙がある」とみられているというわけです。
 
 「やめるのはいつでもできる。だから開催の努力をする」のであれば、お隣韓国から見ても、日本政府の処理能力は限界と捉えられている状況の中で、いつでもできる「やめる」決断をするのは勇断ではないでしょうか。
 今が真夏で感染症が蔓延しにくい時期であることにも危機感を覚えます。
 一か月前、誰も想定していなかった未曾有の現状から、次の一か月の最悪を想定したくはありません。

2021.08.20補足
 現在の状況で一番気になっているのは、毎日のように入院できない人が、指定滞在先でない自宅その他で亡くなっているという現状です。医療崩壊(病院の手が足りない)だけでなく、医療が届かない状況が、毎日報道されるということです。

 現時点でコロナとインフルエンザと同じでないのは明らかですが、その治療体制がインフルエンザ以下で、病院にもかかれない状況は、本末転倒です。
 病院にかかるために、インフルエンザ並の指定に変更し、受け入れ(医療機関)側が過度にリスクを負わないよう(過労、疲労を溜めて体調悪化しないように)コントロールをしつつ対応し、具体的にはオンライン診療等積極的に取り入れ、国内での治療のノウハウ蓄積で一定の効果が得られた薬の投薬だけでも幅広く行えるようにすべきです。
 これは5類指定の方が出せるわけで、私は引き下げに賛成です。  その上で、特例を設け、保健所がインフルエンザより大きな一定の関与ができるようにすればいいわけです。
 医師側も大変かとも思いますが、5類にすれば診療体制の拡充は加速します(医師法に基づく診療義務に基づき診療拒否ができなくなるので、各医師が感染対策に知恵を絞りつつ診療をする義務が生じる。医師法の伝統の宝力ですが、違反には保険医指定取消しもできるので、その効果は高い)。今周りでできることは、その受け皿のバックアップでしかないのです。
日本の医療は主に民間が担っているのは事実ですが、その収益は国の医療保険制度に依存していることも紛れもない事実です。またその医業独占の反射的義務として、全ての医師は求められた診療要請に応じる義務があるわけです。現在の、呼吸器内科を中心とする一部の医師、看護師らが疲労しているから(本来肺炎は内科のごく一般的な症状です)医療崩壊だと大騒ぎするのではなく、医師法の強制力を使ってでも、地域医療によって、自宅療養になっている発症患者の初期治療をまんべんなく行き届かせる必要があります。

 私個人は、5類ではなく、今の1類相当(ちまたでは、2類と言われていますが、埋葬許可証には1類相当となっており、公用文書の記載を引用します。)の対応を続けることで、医療機関にきちんとかかれず、その結果、コロナ感染者の初期治療の欠落が、感染拡大、重傷者の増加を招いているとの意見に賛成です。
 実効性ある方法としては、初動での食い止めが有効です。

 パラリンピックを、この状況下でも開催するというのであれば、参加選手と同様とは言いませんが、発症が進んだ感染者に医療の手が行き届くように、思い切った対策をしなければならない時期に来ています。

2021.08.23補足
 本日のニュース記事を見ても、なかなか医療受入れ体制の状況改善が進みません。

 この事態を教訓に、オンライン診療(専用ソフトを用いずに、テレビ電話方式で行なうものも含む)の全面解禁と、今回のような非常時の薬剤師による処方容認(対面での確認は薬剤師が担う)を法制度化し、医師の感染を避けつつ、患者は診療と適切な処方を受け、重篤化した場合の入院措置に持って行ける状況を早く作って欲しいと思います。
 医師側も感染リスクを完全に避けられる大きなメリットがあるわけですから、従来のように、間違っても業界全体で反対しないよう強く希望します。
 現時点で考えられる最良のWin-Winの対処方法です。

投稿者 : admin 投稿日時: 2021-01-05 (715 ヒット)
あけましておめでとうございます。

 今年の正月は、新年気分があまり味わえなかった方が多いのではないでしょうか。

 この大晦日に、たまたま築地本願寺に寄って、勤行集の最後のクライマックス部分「功徳を施し、以て願う」以下のフレーズの読経を聞きました。昨年ある葬式で、例を見ないハイスピードかつ珍しい抑揚で、思い切りのいい省略化された読経を聞き、「最近は、読経も変わったのか」と思ったのですが、こちらは非常にスローテンポで省略もなさそうでした。読経はもともと地方性多様性があると言われますが、同じ東京の同じ宗派でも、いろいろということなのでしょう。

 さて、今年の課題は3つでしょうか。
1 コロナ禍下での、望まれる社会構造変化のスムーズな移行
 温暖化対策は結局のところ、地球全体のエネルギー消費を抑制することであり、地球の陸上で多数勢力であるニンゲンの社会行動の質的変更を伴うわけで、それはすなわち、社会構造、産業構造の円滑な変更をするということになります。
 現実に直面している問題として、コロナ前の人手不足が一服し、かつ現在存在する失業者を、スムーズに受け皿となる産業・職種に移行させる工夫が求められるということでしょうか。
 もちろんこれは特定産業、業種をターゲットにして解決できる段階を遙かに超えています。その意味では、自動車は電気自動車に限定するという既定路線が、世界的に法令制定という形で進行している現状には、改革の工夫を狭める弊害も無視できません。
現在の物流量を、電気自動車の走行距離で確保するとなると、江戸時代の飛脚のように物流中継基地がもっと必要ということになるのでしょう。

2 アジアでの国際河川の取り決め
 アジアでも、複数の国家を流れる国際河川についてその使用方法、排出物の規制を各国で取り決めなければならない状況になりつつあります。
 これは、上流の無計画なダム建設、工業用水への利用、その汚染物質の排出は、下流の国々の水不足その他につながります。これは南沙諸島以上に差し迫った問題になりつつあります。
 東南アジアの砂漠化が進行すれば、最終的には東アジア全体の乾燥化につながるので、他人事ではありません。西アジア、アフリカ北部などの地域の乾燥化の過程・現状を考えても、すぐに変化が現れるわけではありませんが、変化が出始めたら、それは状況が深刻になった現れですから、決して侮ってはならない問題です。
 問題が顕在化していない現時点は、条約で、ある程度問題が解決できるのですから、きちんと取り決めて欲しいと思います。
 なお、国際河川条約は、海洋法条約(現 国連海洋法条約の前の条約)より、早く成立した条約ですが、関係各国が当該河川を国際河川として登録し批准しなければ、その適用はなかったはずです。

3 ネオニコチノイドと遺伝子組み換え農作物、動物の熱病
 この農薬が出る前は、自動販売機の灯りに小さな虫が集まる光景が当たり前のように見られましたが、自動販売機の周りがきれいになりました。
 日常生活で感じるのは、国産ハチミツの激減でしょうか。国産ハチミツの流通量の激減を考えると、これは深刻な問題なのではないかと感じます。
 ミツバチその他益虫に、この農薬に耐性がつけば問題は解消されそうな気がしますが、国産ハチミツの生産量が回復していないことからすれば、耐性が付きにくい農薬なのでしょう。
 
 この農薬が使われるようになって、ミツバチを含めて羽虫の類いがめっきり減ったと言われています。クマの出没が昨年も話題になりましたが、クマはハチミツが大好物と言うので、ミツバチの減少はこういうところでも出たのでしょうか。食物連鎖への影響も気になります。
  
 ところで、アメリカでの鳥類の集団死のニュースは、日本の日本語のニュースレベルで、途切れることなく続いています。昨年は、デトロイトの高層ビルに渡り鳥の集団が激突したというニュースがありました。
 神経系の異常が原因と言われているようですが、その神経の異常の原因は何なのか、羽虫を摂取することによる農薬の蓄積なのか、遺伝子組み換え農作物の摂取か、温暖化による緑地減少によるえさ不足なのか、それとも全く別の原因なのか、想像は尽きませんが、輸入農作物が多いという意味でも他人事ではないので、是非原因を解明して貰いたいと思います。

 昨年は、ヒトに関してはコロナ一色でしたが、動物の観点から言えば、豚熱(豚コレラ)、鳥インフルエンザのニュースもありました。日本では、厩舎内全部をと殺処分、殺菌の徹底をし、ヒトに感染しないように細心の注意を払っているわけで、なかなか大変です。
 コロナ禍で、私も、他人には触れないものは当然のこと、なるべく物にも触らないことを徹底していますが、それでも、広がるのですから、難しいものです。
 現在のワクチンの薬効では少々きついため、日本では限定的使用にならざるを得ません。
  
 死者数が例年のインフルエンザ死者数と同水準だからといっても、旭川の例のように、感染拡大防止に外出自粛が効果がある以上、これをしない手はありません。
 その次の開催国もコロナ禍の混乱の中にあるわけですから、東京オリンピックは早い段階で来年か再来年以降に延期決定してもらいたいものです。

 今年が、昨年より、より良い年となりますことを祈念します。

投稿者 : admin 投稿日時: 2020-08-20 (884 ヒット)
 今年の梅雨前線は、台風の到来を妨げるほどの勢いで、大陸奥深いところから東シナ海・南シナ海を超え日本列島までつながる巨大で長い前線が発達するなど(インド洋から続く梅雨前線とニュースで聞いた記憶がありますが、国内の天気図には前線が画面左右を横断するものの、インド洋までまで載っておらず、ネットでは確認できませんでした。)、大陸だけでなく、日本でも、大雨、洪水をもたらしました。

 例年と異なるほどに大量の雨を降らせる程、大気中の水蒸気が増えたのはなぜか。
 高緯度地域では凍土の湿地化や、氷山の消失などが顕著に見られ、高緯度地域から生じる気化した水蒸気が増え、相対的に北半球の大気中の水蒸気が増えたからということがあるのでしょうか。
 コロナ禍の下、世界の航空輸送は世界的に大幅縮小となり、温暖化対策的に言うと、多量のエネルギーを消費し、二酸化炭素を排出する元凶の一つだったものが、文字通り大幅削減に至りました。
 ジェット気流の中を飛び、膨大な熱エネルギーをまき散らしていた存在が少なくなったことで、大気中の水蒸気に変化をもたらしたのでしょうか。

 期せずして、コロナ禍で、世界全体で人の流れが地域内に限定化し、世界規模の人の流れがなくなりました。
 その分、経済活動が以前より全体的に停滞し、例えば、大規模な二酸化炭素排出源と言われる、世界の航空需要を激減させても、世界規模で減ったはずなのに、逆に、高温化を実感する毎日が続くわけですから、経済活動により排出する世界的な、エネルギー消費削減も二酸化炭素排出削減も、まだまだ足りないという結論になります(逆に、元通りになど到底できないということでしょうか)。

 そうは言っても今提唱されているのは、人の経済活動自粛によるエネルギー消費削減ではなく、温暖化阻止に有用との観点での二酸化炭素排出削減ですので、まずは、排出された二酸化炭素が減ったかどうか、対前年比の、世界の二酸化炭素濃度のデータと各地の気温の相関関係を分析確認したいところです。

 日本列島の40度を超える高温化は、近海の海温上昇というより、上空で高気圧が二重構造になって日本列島を覆ったためと言われますが、最近の地球環境のトピカルな話題であった、北半球の高緯度地域の温暖化、高地・高山の氷河の融解なども考えれば、地球そのものが高温化しているという説に同感できます。
 高緯度に住まう人々ほど危機意識はありませんでしたが、中緯度の日本でも、さすがに40度を超える地点が複数又何日も続くと、地球高温化を真剣に考えさせられます。

 少々脱線しますが、コロナ禍収束後のあるべき未来、また実践しなければならない未来を考えるために、過去に思いを馳せると、2000年以上前に書かれた旧約聖書やギルガメッシュ叙事詩では、メソポタミアに大洪水があったと記載されています。
 これが真実でメソポタミアの地形で洪水があったとすれば、急峻な地形もなく土砂崩れにより川がせき止められ、湖のようになったためとも考えにくいので、洪水の原因は、支流の流水量が川の許容流水量の限界を超え、更に本流にも流れなくなったことにより発生した洪水(バックウォーター現象)としか考えられず、とすれば、大河に支流が存在していた時代、すなわち、かの地の涸川床が実際の川であった、遙か彼方の昔のことだと思われます。
 これらの書物の示唆するところは、中緯度の平地で大洪水対策として、いかに頑強な城壁を造ろうとも、また巨大な船を造ろうとも、根本的な対策をしなければ、緑豊かな平野部の穀倉地帯もやがて、渇水、そのうち砂漠になり、高温が常態化するという警鐘なのかも知れません。

 世界中がインターネットでつながり、遙か彼方の地域の情報が、タイムリーに現実のニュースとして入ってくる、この時代だからこそ、また、コロナ禍で多少時間・労力的に余裕のある人が一定程度存在する状況だからこそ、未来のための次のステップを、大胆に、また世界規模で考えられるのではないのかと思います。

 コロナ禍が、期せずして、地球環境の改善と、未来に向けた改善策の糸口を示すというのであれば、それはそれで、未来の地球のための警告として意味があると考えます。
 コロナ禍 環境下で、この手も議論も、是非、盛り上がって欲しいものです。

« 1 (2) 3 4 5 ... 25 »