芸術の秋

投稿日時 2013-12-01 | カテゴリ: 時事問題

さて、師走に入り、季節は冬となりました。
今年は、芸術と言えば、日展問題で揺れ、フランスの漫画祭りが、韓国の従軍慰安婦の展示を認め、政治的利用を認めるとか。
http://www.asahi.com/articles/TKY201311300387.html?ref=com_top_pickup
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20131201-OYT1T00198.htm?from=y10
日展問題は、芸術作品の評価の難しさを如実に物語っているような気もします。
朝日新聞が総力をあげて取材しても、買収により賞を取ったという証言が出なかったことに、作品展としての公平性を認めるのか、あるいは、それでも不透明と考えるのか。そもそも、芸術作品の審査の透明性とは何ぞや という気もしますが・・・。
ま、ここ数日の朝日新聞の動向をみると、日展の全分野について問題にしたいようですが、だったら、いっそのこと、日本の伝統芸の免許制度や、伝統芸能に対する文化庁の補助金の使われ方についてメスを入れてみたらいかがか、と思ったりします。それは、誰でも知っていることで、今更だから記事にはならないし、しないのですかね。
日展に関しては、これを機会に、閉塞感をなくし、新しい風を入れ、世界的に通じる展覧会、すなわち、日展入賞作品が、即バイヤーの目に留まるような、権威ある展覧会になってもらうことを期待したいところです。
 
 
 
 さて、フランスのアングレーム国際漫画祭についてですが、ヨーロッパの漫画と言えば、メインは風刺漫画と理解しているので、この漫画祭りがどういう系統のものが、判断しかねるのですが、トピカルでもない68年以上前の出来事を取り上げること自体に、正直納得いかないし、当時の朝鮮半島、1945年以降の朝鮮半島の事情を無視して、「日本軍」だからと取り上げることに、心情的な抵抗がありますが、一体どういう作品が展示されるのか、少々興味があります。
 ファンタジー小説の分野だと、普通に図書館で並べられる韓国人作家の本も存在する昨今ですが、日本国内で公共放送では絶対に放映されないであろうユーチューブの画像が大流行した歌手が観光親善大使になる、韓国です(風刺的な画像としてみれば、いろいろな見方ができそうですが)。相手国の事情を何も考えずに、神経を逆なでさせるだけの作品展示にならないよう、希望します。
 個人的には、芸術、文化について、真面目に政治的に取り上げることこそばかばかしいし、政治的に取り上げないからこそ、風刺漫画の醍醐味があり、意味があると考えます。
 しかし、漫画を、最初から政治目的の利用として捉えるのであれば、それは風刺漫画でもないし、ただのプロパガンダに成り下がってしまいます。また、いくらフィクションだからと言っても、特集として組んでしまったら、史実とかけ離れた作品を集めると、批判となって還ってきます。
社会問題を鋭く取扱い、高い評価を受ける作品ももちろん、あります。しかし、それは、風刺漫画同様、本来政治とは切り離されるべきものです。特定の作家が政治的に利用されたために、その後の創作活動に支障がでることは、我が国だけでなく、しばしばみられた現象です。

2013.12.04補足
芸術作品の評価
 芸術作品の評価の難しさは、今の人気投票だけで、評価できないことの一点にあると思います。
 一般に、時代の半歩先を行けば最先端、一歩先に行けば行き過ぎで全く評価されず、作者は変人扱い、時代の寵児を評価すれば、それは数年後には流行遅れになってしまうと言われます。
このセオリーは、美術史にも当てはまり、後世に爆発的に評価される作家が生前全く売れない不遇の人生を送ったことはよく見られることです。
 とすれば、作品展の評価とは、単なる観覧者の人気投票では足りないし(これは時代の先端ではない)、次の流行、次の展開をどこに読むのかによって、次の流行に対する評価が決まることになりますが、これは人それぞれなので、当たり外れがあり、正確な予測はプロでも難しい。
 はっきりしていることは、画商や収集家の思い入れ(思い込み?)、熱意により、評価される作品も多かったのではないかということです。インターネットが普及している時代なので、写真の画像写りがいいことも評価の対象となるのですが(写真写りがいい作品と肉眼で見ていいと思うのは若干違う)、本当にいいと思えば、本物を見たくなります。
 こうして、いろいろ考えると、作品の評価とは、第三者がどう評価したのかではなく、どの作品を自分がいいと思うかの一言に尽きるのではないかと思います。




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