経営者のための分析表導入のすすめ

投稿日時 2005-08-16 | カテゴリ: 日常問題

標準的な弁護士をやっていると、必ず、企業の破産、民事再生、任意整理などに直面します。

俗に消費者金融は、サラリーマン金融などと言われていたため、サラ金との異名が残っています。(サラ金は、蔑称だそうで、サラ金にサラ金業者というと、消費者金融と呼べと怒られます。)
しかし、この消費者金融、実は、大のお得意さんは、中小企業の経営者です。

だいだい、年利29パーセントの金利を5年以上、延々と返済できるのは、ある程度、余力の財力がある人に限られます。自営業者は、一時的にまとまったお金を手にすることがあるものだから、意外に、自転車操業で、相当長い期間借り長らえることができます。

しかし、普通に商売やっていて、純利益(経費、人件費を控除した金額)の利益率29%のところなんて、ありません。サラ金からの借り入れで運転資金をまかなうと、瞬く間に、破綻してしまいます。

計算上は、自分の商売の純利益の範囲内で元利が完済できなければ、借り入れが増えることになり、一旦、借り入れが増えると、後は雪だるま式に、借入金がふくれあがる一方です。

「いつか挽回できるだろう」では遅いのです。放置してもよくなりません。積極的に展開していく必要があります。返済不能になる前に、早めに手を打って下さい。方法は借り換え、経費削減、などいろいろあります。
今期も赤字となってしまいましたが、経費大幅削減の術を、ウォールマートから、西友が授けられて今期経費削減の実績はでたように、打ち出の小槌はあるのです。(人件費の削りすぎで、従業員の士気は落ちていないものの、店に従業員がいなさすぎて違和感があるとの話もありますが・・・)。

もちろん、経理ばかり気にして、後ろ向き経営ばかりをやっていては駄目というのもわかります。
しかし、効率よく仕事をするためには、潤滑油・・・資金手当を盤石なものにしなければ、経営はうまくいきません。

ではどうすればいいのか。私は、ご自身、あるいは専従者などに、会計ソフトで、資金計算、資金分析をすることをお勧めします。
まずは、経営の現状を、ご自身で、はっきり把握して貰うことが、第一歩です。

簿記の知識がほとんどわからずに、記帳できる、簡単なソフトはいろいろ売られています。
高いソフトは、えてして機能が多すぎて、分析もしにくく、わかりにくいと思います。
私は、これらの分析表は、役に立ったという実感がわきませんでした。役に立たずに、分析表だけが山のようにある会社の事務所整理などをしているから、そう思うのかもしれませんので、もしかしたら、偏見なのかもしれませんが、素人向きではありません。

時間の合間で結構です。
申告の時期だけ、税理士に任せるだけではなく、日頃から、自分の事業の収支、コストを把握するため、帳簿入力してみて下さい。自分の会社が実際どうなっているのか、確認してみて下さい。
早めに、問題点がわかります。
対策をじっくり練って、問題を解決できたら、その会社の寿命はいくらか伸びます。




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