ギャンブルの発想

投稿日時 2005-08-16 | カテゴリ: 日常問題

さて、ここで、ギャンブルというものを考えてみましょう。

ギャンブルというと、ばくち、賭博などいい印象を受けない方が多いと思います。それは、「ギャンブルをやって、大金をはたいた」とか、ギャンブルをさせられている側の印象から受けるイメージが先行していることに影響があるのでしょう。

ギャンブルは、実は、数学の、確率統計の理論で成り立っている大変ロジカルな行為です。

確率統計の初歩に、「サイコロがあります。半、丁どちらが出るかは不規則であるが、サイを振る回数が増えれば、限りなく2分の1に近づく」ということが話題として、よく上げられます。
この場合には、延々と「半」と言い続けて、確率2分の1となる程度まで、サイコロを繰り返したら、この勝負に負けることはありません。勝つこともないですが。

しかし、サイコロの重心をわざと変えて、サイの目の出る確率を変えたら、この確率2分の1は変わってくることになり、半と丁の確率が3:1という場合も生じてきます。この場合に、「半」と言い続けたら、この勝負に必ず勝つということになります。

株取引も先物も、数年前に一世を風靡し現在訴訟がいくつも起こされているEB債も、勝負事です。一般の方は、こういう物が前者に類する勝負事だと考えます。
しかし、これが、大きな落とし穴です。一見フェア、しかし、実は最初から勝負の決まっている後者であることが多いのです。特に、消費者に裁量が少ない、先物、金融商品は、購入の段階で勝負が決まり、消費者がその才覚でどんなに挽回しようとしてもできないところに、胴元(賭の主催者とでもいいましょうか。)必勝あるいは胴元の圧勝の秘訣が隠されているのです。

ではなぜ、これを手がける人が増えるのか、特に先物に関してはネット取引が解禁となったばかりです。本当にやる人は騙されるのか。私にとっては、素人が勝負師相手に勝負をするなど、Beginner's Luckyならともかく、やるものではないと思うのです。

しかし、証券会社のパンフレットを見ても、先物会社のパンフレットを見ても、「勝負師がやっています」「素人が首を突っ込む物ではない」とは、どこにも書いていません。
そればかりか、あたかも「神の見えざる手」だけが市場を支配するかの如きパンフレットになっており、なぜか、こういうものは、高学歴の人ほど、よく引っかかるのです。宣伝のうまさが、こういうもののGamble性の高さを覆い隠しているのです。

とは言っても、弁護士は慎重すぎる、自分は成功するんだ、成功したいと思われる方もいると思います。
そこで、次に、このようにGamble性の高い商品を購入して切り抜けるための、最低限これだけは知っててやるようにということをお話ししましょう。




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