EB債の購入にあたって
投稿日時 2005-08-16 | カテゴリ: 時事問題
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EB債は、一世を風靡しましたが、訴訟がバンバン起こされたので、一時より下火になっているはずです。 私は、数年前まで、丸の内の事務所に勤務しており、近所に証券会社がたくさんあったので、そこら辺の情報収集は事欠かなかったのですが、今は、都会の喧騒や排気ガスが少ないところに事務所を構えてますので(東京駅までの所有時間は、そんなに変わらない。)、実情はよくわかりません。
EB債を購入する場合の殺し文句は、 「この低金利の中で利息が5〜10%つきます」 「仮に株価が下がっても、株式として取得するので、損はしません」です。
確かに、言っていることのリテールに、嘘はほとんどありません。 しかも、米ドル建てなのか、円建てなのか、ユーロ建てなのか、どこの市場で発行するのか、聞くだけで複雑すぎ、聞いているともっともらしく聞こえるものだから、とびつく人がいるのです。数百万円単位の損を出すから困ったものです。 実際には、この商品、プロが手を出すのであればともかく、素人相手であれば、high risk&low return商品です。
基準日直前に、売り浴びせをし、株価下落を促す実力行使をします。 株式で転換させる方が、胴元は儲かるからです。 他方、消費者は、株式を空買いするすべを持ち合わせているわけでもなく、ひたすら「神の見えざる手」が、株価上昇させることを願うのです。他力本願しかないという時点で、勝負はあったものと思いませんか。
時に「神の見えざる手」が、消費者を勝利に導くことがあります。その場合であっても、胴元=証券会社側の損は、5%程度の利息だけ。他方、株価の下落は底なしで、時に20%以上の下落もあり、それが、大きな利益となるのです。 これが、私が、EB債が、後者の、確率が均等でないGambleに属するとする理由です。
EB債をやるときには、少なくとも、株式先物市場の値動き(数ヶ月先の市場の動向予測がわかります)はチェックすべきです。 新興でマザーズ上場だとわかりませんが、東証上場であれば、会社経営での大ミスが、株式大幅下落になるというより、日本の株式相場そのものの変動が大きく影響します。 また、先物でヘッジをかけている証券会社も多く、勝負師の予想である先物市場は予想を裏切らないということなのでしょうか。 これは、ちょっと当てになります。(但し、これも必ず、当てになるわけではありません。悪しからず)
証券会社などの企業予測は当てにならないのではないかと思います。胴元は、これについて読込済み、すなわち消費者はそういう市況予測を前提として購入を決めることを前提としているし、3か月、6か月という短期の市況予測は、当たりはずれが大きいのです。
また、EB債をやるくらいなら、売りチャンスを、自分で選べる株式購入をお勧めします。 EB債を募集する程度の会社は、急激下落の株式市場傾向がある場合はあまりないので、結論からすれば株取引の方が有利です。 なお、株式取引必勝の難しさ、市況展開の読みについては、また項目を改めます。
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