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投稿者 : admin 投稿日時: 2005-08-16 (781 ヒット)
さて、ここで、ギャンブルというものを考えてみましょう。

ギャンブルというと、ばくち、賭博などいい印象を受けない方が多いと思います。それは、「ギャンブルをやって、大金をはたいた」とか、ギャンブルをさせられている側の印象から受けるイメージが先行していることに影響があるのでしょう。

ギャンブルは、実は、数学の、確率統計の理論で成り立っている大変ロジカルな行為です。

確率統計の初歩に、「サイコロがあります。半、丁どちらが出るかは不規則であるが、サイを振る回数が増えれば、限りなく2分の1に近づく」ということが話題として、よく上げられます。
この場合には、延々と「半」と言い続けて、確率2分の1となる程度まで、サイコロを繰り返したら、この勝負に負けることはありません。勝つこともないですが。

しかし、サイコロの重心をわざと変えて、サイの目の出る確率を変えたら、この確率2分の1は変わってくることになり、半と丁の確率が3:1という場合も生じてきます。この場合に、「半」と言い続けたら、この勝負に必ず勝つということになります。

株取引も先物も、数年前に一世を風靡し現在訴訟がいくつも起こされているEB債も、勝負事です。一般の方は、こういう物が前者に類する勝負事だと考えます。
しかし、これが、大きな落とし穴です。一見フェア、しかし、実は最初から勝負の決まっている後者であることが多いのです。特に、消費者に裁量が少ない、先物、金融商品は、購入の段階で勝負が決まり、消費者がその才覚でどんなに挽回しようとしてもできないところに、胴元(賭の主催者とでもいいましょうか。)必勝あるいは胴元の圧勝の秘訣が隠されているのです。

ではなぜ、これを手がける人が増えるのか、特に先物に関してはネット取引が解禁となったばかりです。本当にやる人は騙されるのか。私にとっては、素人が勝負師相手に勝負をするなど、Beginner's Luckyならともかく、やるものではないと思うのです。

しかし、証券会社のパンフレットを見ても、先物会社のパンフレットを見ても、「勝負師がやっています」「素人が首を突っ込む物ではない」とは、どこにも書いていません。
そればかりか、あたかも「神の見えざる手」だけが市場を支配するかの如きパンフレットになっており、なぜか、こういうものは、高学歴の人ほど、よく引っかかるのです。宣伝のうまさが、こういうもののGamble性の高さを覆い隠しているのです。

とは言っても、弁護士は慎重すぎる、自分は成功するんだ、成功したいと思われる方もいると思います。
そこで、次に、このようにGamble性の高い商品を購入して切り抜けるための、最低限これだけは知っててやるようにということをお話ししましょう。

投稿者 : admin 投稿日時: 2005-08-16 (785 ヒット)
大きく取り上げられているので今更言うことはありませんが、誰しも、「あれは何」という素朴な疑問があると思います。
ここまで騒動になった原因は、どこにあるのでしょうか。
1 日本では、あまり使われなかったけれど、アメリカのオーソドックスなM&Aの手法が、日本社会の代表選手のような不慣れな組織に降りかかり、騒動が大きくなった。

2 バブル崩壊後、欧米の金融工学その他、金融関係知識をやっきとなって取り入れようとしてきた我が国にあって、一般認識が大幅に欠如していた。

3 内部闘争には強いが、外部からの攻撃には弱いトップが右往左往した
 などが、考えられます。

新株発行差し止めだけが、耳目を引いていますが、一番注目すべきは彼らの使った、資金調達の手法、金融担保の考え方なのでしょう。法律家としてはどっちが勝かは比較的明確なのでしょうね。

私は、今回の件で、10年以上前に起こった、蛇の目ミシンの買収事件を思い出しましたが、あのときは、所詮、国内での話。現在は、グローバル化の中で、考えられない巨額資金が、M&Aに使われる可能性があるという意味で、ニッポンの浦島太郎状態が、露呈したのではないかと考えています。

数年前のアジアの金融恐慌を、対岸の火事とみていましたが、こうして、国内でも、かなりあっさりと、M&Aの実践だけが強みの会社に対して、巨額資金供与が行われる事実、巨額資金供与がロジカルな裏付けで・・・すなわち突発的出来事ではなく、普遍的に生じうるということに、ちょっと、驚異と警戒を感じました。

日本の古くてお堅い金融諸機関の融資の実態だけを前提にしていては到底出てこない発想です。
ま、日常業務で接する日本の金融機関とでは、武家社会と文明開化ほどの差があり、こういう積極融資、資金供与などあと15年くらいたたなければできないでしょう。

私は、金融商品の専門家ではなく、せいぜいその補強、事後処理を担当する法律家に過ぎませんが、どんな横文字を並べようと、問題になっているのは、「どういう条件で、融資をするのか、その基準としてどういうテーゼ、リスク評価、基準を設けるのか」あるいは裏返すと「どういう条件で、募集をするのか、それに対して、どういうリスクを想定するのか、客に対して、どういう説明をするのか」ということです。・・・・資金供与をする側においても、資金調達と供与の二面性があるのです。

アメリカでこういうことをやっているからそれでいいというのではなく、今後の検討課題は、我が国における、そういう手法におけるリスク評価でしょうが、今回の件は、Lehmanは、世論の反応をみて、フジテレビの買収までは動かさないでしょう。
しかし、今後、世情が変わり、世の中がもっとアメリカナイズされたら、こういうことは、必ず起こり、次はもっと大がかりになっているのでしょう。蛇の目ミシン事件から、grade upしてフジテレビ問題が今あるように。

欧米人は、予言が好きです。ノーベル賞の受賞理由をみても明らかなとおり、事実の確認、実証より、脳の思考としての結果の発見を、尊びます。日本人、おそらくアジア人とは違う発想で動いています。欧米発想のリスク管理・評価をそのまま日本経済に取り入れるのは不可能でしょうが、融資は、欧米の金融から彼らの基準で実際にCashとして流れてきます。よくも悪くも。

これを防ぐには、欧米の基準が必ずしも当てはまらないというリスクに関する研究成果をだせるかどうかです。難しい問題ですが、日本の金融屋諸方にもがんばってほしいものです。

話はそれますが、金融商品被害の事件も扱う弁護士としては、証券会社、銀行が、そこら辺の研鑽を積んで、決して「ニッポンの消費者が詐欺に遭うような金融商品」を「新しい商品ができた」と勘違いして、大々的に消費者に損をさせるのではなく、全体としてニッポンが富むような金融商品の開発、使い方をしてほしいと思います。そのくらい、実践と研鑽を積んで頂きたいのですがね。

と、念のため言っておきますが、金融商品の発想は、確率統計学をベースにした金融工学から成り立っています。確率統計は、ギャンブルから発展しました。金融商品、先物取引は、ギャンブルです。やる前に、肝に銘じて下さい。

「絶対に儲かる金融商品がある」「安全だ」「分散投資して儲けませんか」などという勧誘文句は、疑って下さい。「分散投資」とは、金持ちが、金余りにまかせてするリスクを伴う投資であり、庶民のやることではありません。元手の桁が違います。

投稿者 : admin 投稿日時: 2005-07-28 (726 ヒット)
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投稿者 : admin 投稿日時: 2005-07-27 (891 ヒット)
とまあ、医事紛争の悲惨な状況に対して、悲観ばかりしても意味がないので、
反面教師としてどういった医師に頼むのがいいのかいう観点から、よき医者を考えましょう。

これについては、いろいろケースが想定できます。

1 交通事故などの救急医療にかかった場合
 この場合には、医者は選べません。
 残念ですが、自己防衛するしかありません。何に気をつければいいのか。ズバリ、衛生管理です。
 MRSAなどが話題となっていますが、敗血症だって昔の病気ではないのです。
 看護婦、ワーカーさんが、手を洗った上で自分の看護介助にあたってくれているかどうかを確認することです。
 衛生は、手洗いから始まり、これが一番効果があるのです。

2 高度な手術をする場合
 この場合には、医師の評判より、患者の評判を参考に探して下さい。
 事前にきちんと説明をしない医師、レントゲン、その他検査データをろくに見せもせずに、手術の方針を説明する医師は、どちらかというと避けたいところです。
 あとで納得できないことをされたと後悔します。
 もちろん、切った、つまんだ、つないだという手術の技術は、手術前の説明の上手下手と一致しません。が、患者をどのように考えているかは、細かいようですが、手術の際も、その執刀の姿勢に反映するようです。
  
3 かかりつけ医を探す場合
 絶対お勧めしたくないのが、年寄りの開業医です。
 世間話はできるでしょうが、病気発見の意欲に欠け、何のためのかかりつけ医なのか、首をかしげるケースも多いようです。
 高齢の開業医は、都内でも最近、医事紛争が増えているそうです。
 かかりつけ医は、自分との相性が合い、愁訴している病気以外についても、的確に病気の兆候を探り出し、アドバイスしてくれる医師が適任です。
 弁護士と同様、医者も増えてきていますが、意欲のある開業医を捜すのが難しく、きちんと的確に診察できるとなると、更に限られてきます。
 「まあ、いいや」「死なないし、病名正確にわからないけど、これでいいや」という、笑えない医師は、意外に身近にいるのです。
 経験からは、かかりつけ医は年齢60歳以下、医療に対して意欲のある医師、予防医学の意識がある医師、最新の臨床情報の収集をかかさない医師がいいでしょう。
 最新情報を入手しているかどうかは、診察室においてある文献が、どの程度新しいものであるかでわかります。
 若くても古い文献で満足している医師も多いです。


  
  
 


  

投稿者 : admin 投稿日時: 2005-07-27 (2581 ヒット)
私は、弁護士になって今年でちょうど10年目に当たります。

この業界、10年目くらいが中堅、20年目くらいがベテラン、30年目くらいが超ベテラン、
40年目を過ぎるとそろそろ老害と煙たがれるようになります。

弁護士は、医者と同じで一生資格を保持できます。ただ、弁護士であっても、
他人様の仕事をする以上、能力が衰えた段階で、あるいはそうなる前に、引退するべきなのでしょう。

私は、65歳くらいで事実上一線から退き、あとはlifework程度に弁護士業ができればと思っています。あと29年の寿命と考えれば、弁護士人生はかくも短いものかなと思ったりします。

毎日が本当にあわただしく過ぎていく毎日で、この9年というもの、手帳による分刻みのスケジュール管理は変わることがありませんでした。
これからも、時間の合間に、文献検索と、最新判例のチェック、新法の勉強をし、なおかつプライベートでは子育てをしてという、仕事と育児しかない生活が数年続くのだと思います。
大変だ、やれないと思えば、何事も成せない状況の中で、ここまでやってこれたのは、自分の努力とそれにも増して周囲の支えと理解だと痛感します。

ひとつひとつの仕事をきちんとこなすのが、弁護士の基本です。
すべてにおいてそうありたいと、心がけています。

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