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日常問題 : 不動産担保ローンにご注意を・・・アイフル業務停止処分を受けて
投稿者 : admin 投稿日時: 2006-04-29 (1491 ヒット)
先日、アイフルが数日間の全店業務停止処分を受けました。商工ファンド(現SFCG)以来でしょうか。
金融庁が金融ルールをきちんとコントロールしている証拠ですから、この点は、高く評価できると思います。

さて、このアイフルを業務停止を追い込んだのは、弁護士グループの組織的活動の成果ですが(私は、加入しておりません。)、最初に問題視されたのは、不動産担保を取った融資を無差別に行い、強引な取り立てをしたことが問題になりました。
不動産担保をとる場合の利率は、銀行の住宅ローンは1%から7%くらい、これに対して、貸金業者(信販会社を含む)は、9%から27%くらいまでだと思います。
住宅ローンを利用する場合、どこにするのか、どういう返済方法がいいのかというのも、破綻により住宅を手放すことにならないようにするための重要なポイントですが、これは後日に譲るとして、今回は、いわゆる多目的ローンとして不動産担保で借り入れをした場合に限って、説明します。
このローンの問題点は次にあります。
1 支払金額が多すぎる。
  以前の40.004%の時代から考えれば、この利率は低いようにも思えますが、借入金額が数百万円、低い金利であれば一千万円を超える金額を借り入れるわけですから、月額15万円多いと20万円程度支払わないとならない場合が結構見られます。
  住宅ローンがない場合であっても、生活費の他10万円以上工面できる人など、それこそ裕福層しかないわけで、普通であれば生活費を大幅に削らなければならない大変苦しい生活を余儀なくされ、病気、事故何らかのアクシデントがあれば簡単に支払いが滞ります。

2 支払原資のあてがなく、完済の見通しがない金額を貸付ける
  上記と重複するのですが、借り入れから1年は続けられても、ちょっとしたアクシデントで返済ができなくなる返済プランで借り入れています。最初から完済ができないのに借りています。
  アメリカでは、返済の見通しが明らかにないのに不動産担保を取って金を貸すことは、不動産奪取を目的にした違法貸し付けとされます。

3 余裕不動産ではなく、たとえば農家の農地、自宅を担保にいれるため、借り入れた本人だけではなく、一家が路頭に迷う。
  これが実際には大問題となります。
  都会であれば、自宅をあきらめて、公営住宅に移るという手段も全くないわけではないのですが、田舎の場合に、まして、農業など単一産業しかない場合に生産手段をとられたり、近所に公営住宅などない地域事情で自宅から出て行けということになると、結局、一家での転居を余儀なくされます。
  大幅に不良債権をかかえる農協がいいとはいいませんが(改善の余地はあると思います。)、農協が大規模農業に不可欠なまとまった融資を多少のこげつきを見逃しながら、共存共栄を図っていたのとはちょっと違います。

この不動産担保融資は、外資のアイク(現ディック)が大々的にやり、その後アイフルがやっているというわけです。
ただ、武富士、プロミスはあまりやっていないと思います。

 そして、最大の問題点は、仮に弁護士が入って、任意整理の交渉をしても、不動産担保があるから、業者がかなり強気で、「まず、不動産を売れ(不動産を売れば、全額回収できたりする。)」と強行に出てくることです(さすがに、競売申し立てをしたということは聞きませんが。)。
 不動産担保ローンの強硬な取り立てが社会問題化するのは、こういう背景があります。

 私が、常々思うのは、産業構造が固定化していて、容易に転職が図れない地方経済の健全化のためには、貸金業者による社会的影響は無視できないはずだと思うことです。労働者の流出については、甘く考えてはならないことだと思うのですが。
  

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