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時事問題 : 日本海を東海と併記するバージニア州議会上院の決定について
投稿者 : admin 投稿日時: 2014-01-25 (977 ヒット)
このコラムでも、何度か取り上げている日本海の呼称ですが、アメリカ バージニア州で採用される教科書では、日本海と併記されるとの法案が州の上院議会で可決したとのことです。
海域の呼称については、地域性があり、ある地域で教える名称を、世界の共通の名称を取る必然性はありません。
 したがって、韓国の場合には、
朝鮮半島を中心に、西の近海を西海 といい、→ 国際的には黄海
           南の近海を南海 といい、→ 国際的には東シナ海
           東の近海を東海 といい、→ 国際的には日本海
と言っているようです。韓国国内にいる分には、こういう言い方の方がわかりやすいのは事実です。
 ちなみに、日本の教科書は、基本的には、国際基準の海域の呼称をしています。

 現在、アメリカのバージニア州議会で可決されたのは東海のみであり、西海、南海については要求すら上がっていない模様。

 ところが、朝鮮半島は、古くから主に中国との間で、東シナ海、黄海を利用し、貿易したわけで、日本との貿易ですら、長らく対馬が窓口であったため、日本海を使っての貿易などほとんどありませんでした。もちろん、1600年頃から長く続いた鎖国の問題もあり、朝鮮半島で、海洋貿易が盛んになる要素は全くなかったわけです。
 だから、日本海を利用した実績は、せいぜい近海の漁業程度で、それで海域の利用をしていたといい得るのかすら、かなりあやしい。
 その中で、なぜ、日本列島を大きく囲む海域、また日本の排他的経済水域が多くを占めるこの海域が、「東海」になるのか、朝鮮半島の人々がそういう呼称を使用していた実績があると言えるのか、全く理解できないし、なぜ今になって、こういう問題が、バージニア州で発生するのか、わからない。
 
 報道によれば、この海域の呼称は争いがある呼称だということから、併記とされたとのことです。
 その南に隣接して、東シナ海があるのに、その北が東海(ハングル語で、トンヘと読む)というのでは、あまりに一般的広範囲すぎ、実用的実際的ではないし、いずれなくなってしまう名称かも知れません。ただ、今回は、「トンヘ」の併記を承認したとのことで、意味の英語訳 east seaではないようです。

 韓国人は、近年、少なくとも1500年以上使用してきた漢字文化を捨て、ハングルの意味が漢字由来であることを忘れつつあり、更には、古文書がすべて漢字表記のため(大ヒット韓流歴史ドラマ「チャングムの誓い」の冒頭の李氏朝鮮の文書《400年位前のもの。李氏朝鮮は、日本統治直前まで続いた政権》は全部漢字で書いてありましたよね)、過去の文化歴史の承継意識は乏しい。

 だからと言って、この明らかに不合理な決議に、漢字文化を捨て漢字の意味もわからないとしても、「トンヘは、東海と書き、東シナ海の北の海域を東海とするのか、おかしいでしょう、この海域は、朝鮮半島の東の海域だけでなく、日本列島を覆うように存在するのですから。また、ハングル語は朝鮮族しか使わないから、ハングル語のトンヘの名称が朝鮮半島以外で使用されることはありえない。」と韓国人や韓国系アメリカ人に言っても、納得されないこと、理解が得られないことに、逆に納得できません。

 太平洋のはるか向こうの、更に、アメリカ大陸の反対側、大西洋に面した州であれば、日本海には、全く縁がない人の方が大半です。
 中国、日本、台湾、朝鮮半島、ベトナム等では長期にわたり漢字文化があり、漢字は表意文字であるため「東海」と書けば、話す言語が違っていても意味の共有(東の海)ができますが、ハングル語は朝鮮族しか使わないから、朝鮮半島以外で「トンヘ」と使うはずがありません。朝鮮半島より南の人が、日本海を東海(東の海をいう。)、トンへというはずもありません。
 更に、実際には朝鮮半島においても、ハングル文字を公的に使いだしたのは最近で、むしろ1500年以上の長きにわたり漢字文化が根付いており、それゆえ、朝鮮半島の歴史においても公文書は漢字のため、「東海」の表記はともかくハングル表記で使用した事実は皆無だったはずです。
 鎖国時代が長く続いた朝鮮半島の歴史もありました。
 ただこれらの事実は、実情を知らなければわからないし、そもそもバージニア州ではこういう極東の事情は教育の対象にはならない。

 だから、ハングル語の名称が海域として、併記するのが当然という結果になるのでしょうかね。
 
 漢字を理解せず、もともとの漢字もその意味の由来もわからなくなった、韓国人が、これらの前提を全部とばして、説明・説得したら、海の向こうの大陸の反対側の大西洋に面した州の住民では、間違った結論になってしまうということなのでしょうか。

 朝鮮半島が、近年わずか60年前くらいに、1500年以上の長きにわたり使用実績のあった漢字文化を、公用語の中から完全に捨てたことは、その自主性を尊重すべきとも言え、他国がとやかくいうことではありません。公文書で漢字を完全排除したのも同様です。
 だからと言って、今までの歴史的事実を曲げて、ある意味隣国とは言っても、太平洋のはるかかなたの、またアメリカ大陸を横断した大西洋側の、ほぼ地球の反対側の国の州だから、わからないだろうと言わんばかりに、明らかに事実でないことを事実のように吹聴し、誤った事実を認めさせることは、承服できないことです。

 こういう出来事があると、反面教師として、改めて、教育の大切さと、文化や歴史の承継の重要性を認識させられます。

2014.2.04補足
 最近の報道によれば、法案が成立する見通しとのことです。
対人コミュニケーションの成功には努力がつきものと言いますが、国際的にも、相手国に自国およびその周辺の理解を求める努力は常にする必要があるようです。
 アメリカは、何の根拠もないのに、従軍慰安婦が20万人いたという石碑が建ってしまう土地柄で、驚くほど、予備知識がないわけですが、理解を得る努力を怠れば、こういうことになるということでしょうか。ハングル文字は、朝鮮半島でも公用文字として60年あまりの使用実績しかなく、トンヘというハングル文字が公用されることはなく、トンヘの呼び名が広域で呼ばれることもあり得ないのは分かりきっている分、納得がいかないものがあります。

2014.2.07補足
 本日、州議会で可決されました。
 本日の韓国紙は、新しい教科書は他の州でも利用するから、トンヘと書かれた教科書が7つの州で使われる可能性があると報じており、日本の新聞では、今までの教科書はそれまで通り使われていくと報じています。
 アメリカの教科書がどの程度の頻度で改訂されるのか知りませんが、一定感覚で改訂があり、また教科書会社がいくつもないのであれば、韓国紙の指摘する「狙い目」「効果」は間違いではないということになります。
 いろんなところに目配りが必要ということにもなります。
 

 

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