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時事問題 : 人事尽くして天命を待つ
投稿者 : admin 投稿日時: 2023-02-25 (658 ヒット)
 トルコ大地震の犠牲になった方々に謹んでお悔やみ申し上げるとともに、ご冥福をお祈りいたします。
命あっての物種です。建物のために人が死ぬようなことは最小限に抑える必要があります。耐震基準を満たしていない建物の犠牲者に関しては、人災であることを肝に銘じ、相互に耐震基準を守っていく必要があります。

なお、日本では、鉄筋コンクリートが急速に普及し始めたのは、関東大震災後と言われます。その前は、石造りの建物は石積み構造だけで、配筋の発想はなかったようです(なお、石積職人の技術による石造の建物は、単純に石を積み上げるだけのものではなく、力学的に有効な工夫をしています)。
つまり、今回のトルコの崩壊建物と同様に、建物強度をその石の厚み(今回で言えばコンクリートスラブ厚)で確保したために、建物により人が亡くなってしまう悲劇が起きました。
 10年以上前ですが、関東大震災後に次々と建てられたRC造の復興小学校の解体が近所でありました。解体現場の配筋の数、太さは特筆すべきものでした。また解体前の建物のコンクリート強度も未だあり、ひび割れも見かけられませんでした。私が通学した戦後高度成長期に建築された鉄筋コンクリートの小学校より、余程耐震性能があったかと思います。 
 これは、当時関東大震災の教訓を生かし建築した結果ということなのでしょう。
 トルコ地震においても、今後の教訓として耐震性能の確保は、鉄骨、鉄筋、配筋、メッシュ配筋による強度の補強により耐震性能を確保することが肝心かと思います。
 
 ところで、今時の耐震技術は免震や制震構造であり、レトロなところ(1500年?前の耐震技術)で心柱による制震構造などがあげられますが、国内の多数の建築物は、そこまで予算を掛けられない、ただのSRC造やRC造やS造なわけですから、今回のトルコ地震を、他山の石とし、建物建築時の建築基準法遵守を堅持する必要があります。

 近年、トルコ政府が弁護士を弾圧していたことは報道知識として知っていました。
 一連の報道記事にあるトルコの建築規制を骨抜きにした官民癒着に、トルコの弁護士弾圧が影響しているのであれば、本件を教訓にトルコの弁護士の方々に、弁護士の存在意義を世論に問い、建築規制の遵守の活動を活発化させていただきたいと思います。

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