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時事問題 : 裁判員制度
投稿者 : admin 投稿日時: 2006-02-06 (830 ヒット)
裁判員制度が着々と準備が進みつつあります。

アメリカの陪審員では、その年齢、男女比、人種などの構成により、評決の結果が左右されると言われ、この事件ではどういう構成になったのかなどと報道されます。具体的には、白人を裁く裁判では、保守的な白人の陪審員が多い方が有利であるという前提に、裁判の有利不利が報道されています。

日本では、裁判員になりましょうという報道はよくされますが、
未だ構成について、どういう形を取るのかの報道は見かけたことはありません。
すごく、気になります。これで判決が左右されるのであれば。

今の日本の刑事裁判では無罪事件は数ヶ月で判決というのがほとんどありません。主たる理由は弁護側にあると言われています。
刑事訴追をする側は、国家予算を使い人海戦術の裁判ができますが、弁護側は、余裕のある依頼者ではない、普通の刑事事件では、弁護士は片手間の、半分ボランティアで、しかも多くて数人のチームを組んでやる程度。刑事訴追側と同程度の所要のべ時間の確保にすら時間が必要なのです。人海戦術の要員を借りたい位のものです。
両者には、当然の、あるべき姿ではありますが、歴然としたハンディがあるため、結構、これがつらいです。
ま、それでも、無罪を取るべき事件で無罪を取らなければならない宿命があるのが、弁護士ですが。

先日、日経新聞の記事に、裁判員制度を利用した模擬裁判で、殺人未遂の事件で、殺意が否定されたとの記事が載っていました。
我々弁護士としては、暗雲漂う法テラスの制度の話が重くのしかかる中で、ちょっと、光明が差した記事でした。

裁判員になる方、どうか「公平な目」で、裁判に参加してください。

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