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時事問題 : 法テラスとガラス張りの刑事弁護
投稿者 : admin 投稿日時: 2006-02-06 (886 ヒット)
裁判員制度に伴って、法テラスという制度が施行されました。

刑事弁護は、弁護士のやる気と力量によって有る程度決まってしまうところが、残念ながらあり、どの弁護士が担当しても、同じ結果となるわけではありません。もちろん、民事事件もそうですが。
現在、資力のない一般の人の刑事弁護は、各地の弁護士会の推薦をもって選任しています。
ところが、今度の法改正で、「法テラス」で国選弁護の振り分けをすることにしました。この制度の従前との大きな違いは、弁護士会は弁護士だけで構成されるのに対し、「法テラス」は、弁護士と検察官で構成されるということです。
簡単に言えば、検察官がある意図をもって、国選弁護事件を振り分けることも可能ということになります。事件の振り分けをアトランダムに振り分けることにするだけで事態はずいぶん変わります。なぜなら、日本の刑事事件の有罪率は高く、自白事件については大差ないものの、無罪を争う事件についてもアトランダム配点し、やる気のない弁護士が当たれば、まず有罪になるからです(現在の弁護士会でどのように事件配点を配慮しているのか程度の問題はあるとしても、やはりこれは将来を危惧すべき事柄です)。

もちろん、刑事弁護を国選に頼らず、私選弁護で、きちんとやれる人はいいでしょう。そういう方も多いですが、そうでない方々もいます。

今、弁護士会の中でも刑事弁護を扱っている刑事弁護委員会は、国選弁護の推薦についての法テラス丸投げを反対していますが、弁護士会全体では、これの丸投げを容認するのが多数となっているようです。資力がないけれど、無罪を争っていて、きちんと弁護をしなければならない人も少なからずいるのですが、そういう人々は今後どうなるのでしょうか。
私は、刑事事件であっても、裁判制度が金持ちに有利な制度であって欲しくないと思うのですが。弁護士の手弁当も限界があります。

細かいようですが、国選弁護の推薦権は、検察官の目が届かない弁護士だけの権利として残しておきたいところです。

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