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時事問題 : 夏の暑さと温暖化・・・・と役所仕事
暑い夏は、誰しもうっとおしく、時にいらいらするものです。
数年前の、ある初夏の昼下がり、東京近郊の裁判所にて。
裁判所の受付で、40、50代の女性が書類書きをしていて、窓口の書記官がそれに応対し、書記官は書記官の理解の中で、彼女にこう書け、ああ書けと指示していました。彼女はもともと、慣れない書類書きで、しかもわかりにくい形式なもので、説明を受けても、何を書いていいやらわからない。「ここ、どうかくのかしら」と最初は書記官に熱心に聞いていましたが、お役所対応をする書記官に、とうとう怒ってしまい、こう言いました。
「もっと、ちゃんと教えて下さい。」
「ちゃんと、説明してますが。」
「あなたには、愛が足りないのよ。もってやさしく、教えてくれたら、どうなの。」
書記官、ここで固まっていました。
愛をもって、他人に接する。・・・なかなか、難しいことです。
まして、立場の違う相手に通じるように接するのは。
10年くらい前、ちょうど、かの有名な黒澤明映画監督が亡くなった際、黒澤映画をほとんどみていなかったので、黒澤世代の先生に聞いてみました。
「黒澤映画は何が一番いいですか。」
「そうだね。「生きる」だね。」
私は、てっきり、「7人の侍」などが挙がると思っていました。
ご存じのとおり、「生きる」は非常に地味な映画で、華々しい登場人物は出てきません。
しかし、縦割り行政、陳情の難しさなど、今観ても社会問題としての描写は正確で、古くさくなく、最後の方で、主人公が一人、達成感を持って渋く喜ぶシーンは、大変地味で、渋すぎますが、何ともいえないものがあります。
今の時代は、欧米並みの、リーダー至上主義の下、例えば、賃金一つをとってみても、リーダー及びリーダーグループと、その他一般の格差が開く傾向にあるようです。
しかし、少なくとも、戦後日本においては、その他一般の下支えがあって、今日があったといえるのではないでしょうか。これからはともかくとして。
社会の下支えをしている人に対してのサービスを考える、それは公僕たるものの一つの、あるべき理想という気がしました。
自戒もありますが、役所仕事を「お役所仕事」にせず、人のためになる仕事をするということを考えるひとつのいい映画だと思います。
数年前の、ある初夏の昼下がり、東京近郊の裁判所にて。
裁判所の受付で、40、50代の女性が書類書きをしていて、窓口の書記官がそれに応対し、書記官は書記官の理解の中で、彼女にこう書け、ああ書けと指示していました。彼女はもともと、慣れない書類書きで、しかもわかりにくい形式なもので、説明を受けても、何を書いていいやらわからない。「ここ、どうかくのかしら」と最初は書記官に熱心に聞いていましたが、お役所対応をする書記官に、とうとう怒ってしまい、こう言いました。
「もっと、ちゃんと教えて下さい。」
「ちゃんと、説明してますが。」
「あなたには、愛が足りないのよ。もってやさしく、教えてくれたら、どうなの。」
書記官、ここで固まっていました。
愛をもって、他人に接する。・・・なかなか、難しいことです。
まして、立場の違う相手に通じるように接するのは。
10年くらい前、ちょうど、かの有名な黒澤明映画監督が亡くなった際、黒澤映画をほとんどみていなかったので、黒澤世代の先生に聞いてみました。
「黒澤映画は何が一番いいですか。」
「そうだね。「生きる」だね。」
私は、てっきり、「7人の侍」などが挙がると思っていました。
ご存じのとおり、「生きる」は非常に地味な映画で、華々しい登場人物は出てきません。
しかし、縦割り行政、陳情の難しさなど、今観ても社会問題としての描写は正確で、古くさくなく、最後の方で、主人公が一人、達成感を持って渋く喜ぶシーンは、大変地味で、渋すぎますが、何ともいえないものがあります。
今の時代は、欧米並みの、リーダー至上主義の下、例えば、賃金一つをとってみても、リーダー及びリーダーグループと、その他一般の格差が開く傾向にあるようです。
しかし、少なくとも、戦後日本においては、その他一般の下支えがあって、今日があったといえるのではないでしょうか。これからはともかくとして。
社会の下支えをしている人に対してのサービスを考える、それは公僕たるものの一つの、あるべき理想という気がしました。
自戒もありますが、役所仕事を「お役所仕事」にせず、人のためになる仕事をするということを考えるひとつのいい映画だと思います。
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