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時事問題 : やさしい破産の話・・税収の倍近い借金をして歳出を増額する政府を考える。その2
投稿者 : admin 投稿日時: 2010-01-17 (679 ヒット)
さて、話を本題に戻します。
増収の見込みがなく、他に資産もない年収400万円の人に400万円を貸す金融機関は通常ありません。与信(経済的信用)がないからです。
ただ、現実に、こういうケースで借入ができてしまったところがあります。国家予算です。
平成19年度、平成20年度の予算の歳入は約83兆円、うち国債発行による歳入は約25兆4000億円だったのが(http://www.mof.go.jp/seifuan20/yosan002.pdf)
平成21年度は、歳入が約102兆4736円、うち国債発行による歳入は44兆円となりました(http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/siryou/002.htm)
税金の収入が約57兆から46兆円と、11兆円も減っているのに、支出が増え、そのため44兆円の借金で穴埋めしたのです。
今年は、国家予算の43%が借金でまかなわれます。

・・・・と思ったら、国家の借金は、973兆1626億円だそうですね。(http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2010012500833, 1/25付け財務省発表資料等)。ここまでくれば、寄らば「幻の」大樹の陰でしょうか。でも、見て見ぬふりは、できませんよね。

これ、個人だったら、絶対にあり得ないし、少子化、高齢人口の増加による医療費の激増・労働人口の健康保険料の負担増大が避けられず(にもかかわらず、年収300万円の医師がいるから?、医療現場が悲惨だ?と診療報酬を上げた、「今(自分)だけよければ」の政治家がいましたが。)、大企業のコングロマリット化・多国籍企業化、国内産業の空洞化と来れば、税収増大の見込みがあるとは到底思えません。
この国の政府は、次の世代に破産せよと言っているのでしょうか。あるいは、アルゼンチンのようにデフォルト(債務不履行)による、国家破綻を覚悟せよと言いたいのでしょうか。アルゼンチンは、インフレにより大変な状況になっていますね。

少子化対策の予算編成と言いつつ、過大な借金をして、将来に借金を残すのは、明らかに禁じ手でしょう。
だいたい、市町村の財政悪化で補助金が減り、市場原理だけで独立採算を迫られた公立病院が市場原理の煽りで(というより、人件費が馬鹿高いためだと思いますが)、破綻したからと言って、今後間違いなく、医療人口(すなわち老齢人口)の増大により医療費の激増・健康保険料の負担増額が避けられないのに、更に、診療報酬を引き上げ、医療費総額を上げるのは、あり得ない選択肢でしょう。今の高齢者や医療関係者のための「ミスター年金」は、20年後、30年後にインフレにより、年金を貰っても路頭に迷う高齢者を間違いなく増やしているのではないでしょうか。

借金は、上記の公庫基準を引用すれば、50年以上かけて返済していくとしても25%にとどめるべきです。その意味で、自民党や、消費税値上げを強く主張した与謝野元経済財政・金融担当相は、常識的だったのだと思います。

借金は、早く返さなければ、その分利子が膨れ上がります。
今まで多数の人の破産事件に関与して思うのは、支出を30%削るように生活水準をいきなり下げるのは結構厳しく、達成できる人は、半分程度です。
1億人以上が関与する国家予算ですから、前年度より収入のあてがないのに借金を前年比20兆円増やしたという無謀な政府が、いきなり平成20年度並の20兆円の減額(前年比歳出20%減額)をすることすら、正直厳しいと思われます。今後、しばらく続くと思われる景気低迷によって税収の落ち込みが予測される中、本来であれば国家予算は更に減額する必要がありますが、これに対応できるのでしょうか(本来であれば、税金収入の範囲で国家運営をするのが原則です)。
結論的には、余程しっかりしなければ、来年の新規国債発行は40兆円を下ることができず、まさに、お先真っ暗状態なのですが、本気で、財務省以外の、政府、民主党は危機感を感じているのでしょうか。

私も、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」や続編が上映された頃に、東京タワーに行った口ですが(東京タワーは混んでました。。)、東京タワーの建物には、自民党政権時代に「日本の国家の借金が毎秒、いかに増え続けているか体感するための」展示スペースがありました。(平成22年2月閉館予定の統計プラザの中にあった気がするのですが、今はないのでしょうか。)
秒単位でいくらの借金が増えていくかを示すデジタル時計や、国債発行額のお札の重さに相当するリュックが置いてあったりして、いかに日本政府が危機的状況あるか体感できる、主に子ども向けの展示スペースでしたが、まあ工夫はされていました。
この展示スペースができた時には、「こんな施設を作るより、国債の発行額減額の実績を出すべきだ」との世論がありましたが、今となっては、今回の予算編成に関与した人々に、この展示スペースで体感してもらった方がよいのではというところでしょうか。

我が国が泥船に乗りかかった危機的状況にあることを、大臣と国会議員と全ての予算要求者と政府は十分認識の上、前年比一律20%カットの国家予算を今から考えて貰いたいですね。
50年先までの未来に対しては責任を持ちたいと思います。


これが個人だったら、「今までの生活水準を考えれば、厳しいことだとは思いますが、これは、収入を大幅に超えた過大な生活を続けていることに間違いなく、免責不許可事由になりますが、裁量免責を狙いましょう。生活は収入の範囲内に必ず切り詰めて下さい」と説明し、破産申し立てをして、再出発といいたいところですが、国家はそうはいきません。

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